大学受験の数学Cの複素数平面で知っていると得する解法集

12185 回閲覧されました

みなさんこんにちは、jonioです。

今回は数学Ⅲの複素数平面で知っていると得をする問題の解き方です。

 

目次

数学Ⅲの複素数平面で\(\frac{π}{2}\)があったら意識すること

「複素数平面上で互いに異なる3つの複素数\(z,z^2,z^3\)を表す点をそれぞれ\(A,B,C\)とする。

\(\angle CAB=\frac{π}{2},|z|=2\)が成り立つ時\(z\)を求めよ。(名古屋工業大学 改)」

問題を図にすると↓です、図が絡んだ問題なのに図を書かない人が結構いますが必ず書きましょう。

 

複素数平面で\(\frac{π}{2}\)があったら回転を使う可能性がある

\(\angle CAB=\frac{π}{2}\)なので回転を考えます、ABを回転してACと考えます。(ACを回転してABと考えてもいいです)

ABを表す複素数は\(z^2-z\)でACを表す複素数は\(z^3-z\)なので回転を表す式は↓になります。

\(z^3-z = (z^2-z)r\{cos(\pm\frac{π}{2})+isin(\pm\frac{π}{2})\}\)(rは実数)となり右辺を展開します。

すると\(z^3-z = (z^2-z)(\pm ri)\)となり右辺を\(\pm ri\)にします。

すると\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=\pm ri\)・・・①となります。

 

複素数平面の式で純虚数があったらこれを使うかも

例えばですが「複素数\(w\)が純虚数」の時の条件式があるのですが知っていますか?

教科書にも載っていると思いますが\(w=-\overline{w}\)かつw≠0・・・②です。

①の右辺が純虚数なので②を使います。

すると\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=-\overline{\frac{z^3-z}{z^2-z}}\)・・・③となります。

\(\frac{z^3-z}{z^2-z}\)≠0は問題文に「互いに異なる3つの複素数\(z,z^2,z^3\)」と書いてあり常に成り立つので考えません。

 

式変形をする時はやみくもにやってはいけない

③を式変形しますが求めたい物は\(z\)で\(\overline{z}\)は邪魔ですよね。

だから\(\overline{z}\)を消すのですが問題文に\(|z|=2\)があるので両辺を2乗して使います。

\(|z|^2=4\)より\(z\overline{z}=4\)

よって\(\overline{z}=\frac{4}{z}\)・・・④となり③に代入するために③のバーを振り分けますが分母と分子を因数分解すると約分できそうなのでまず両辺を因数分解してコンパクトな式にしてから④を代入します。

すると\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=-\overline{\frac{z^3-z}{z^2-z}}\)

\(\frac{z(z+1)(z-1)}{z(z-1)}=-\overline{\frac{z(z+1)(z-1)}{z(z-1)}}\)

\(z+1=-\overline{z+1}\)

\(z+1=-\overline{z}+1\)

④を代入して\(z+1=-\frac{4}{z}-1\)となり両辺に\(z\)をかけます。

すると\(z^2+2z+4=0\)となり解の公式を使って\(z\)を求めると
\(z=-1\pm \sqrt{3}i\)となります。

次はこの入試問題です。

「複素数平面上で3つの複素数\(z,z^2,z^3\)の表す点をそれぞれA,B,Cとする。

ただし3点A,B,Cは互いに異なっているとする。

このとき\(\angle ACB\)が直角になる複素数\(z\)の全体が表す図形の式を求めよ。(名古屋工業大学 改)」

まず簡単に図を書くと↓です。

\(\angle ACB=\frac{π}{2}\)なので回転を考えます、BCを回転してACと考えます。(ACを回転してBCと考えてもいいです)

BCを表す複素数は\(z^2-z^3\)でACを表す複素数は\(z-z^3\)なので回転を表す式は↓になります。

\(z-z^3 = (z^2-z^3)r\{cos(\pm\frac{π}{2})+isin(\pm\frac{π}{2})\}\)(rは実数)となり右辺を展開します。

すると\(z-z^3 = (z^2-z^3)(\pm ri)\)となり右辺を\(\pm ri\)にします。

すると\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=\pm ri\)となり右辺は純虚数です。

純虚数がある時の条件を使うと↓になります。

すると\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=-\overline{\frac{z-z^3}{z^2-z^3}}\)となります。

 

複素数平面の軌跡の問題ではこうする

問題文に「複素数\(z\)の全体が表す図形の式を求めよ」と書いてあるので軌跡の問題と判断できます。

複素数平面の軌跡の問題では動く点を\(x+yi\)(\(x,y\)は実数)と置きます。

この問題では\(z\)の全体が表す図形を考えるので\(z=x+yi\)と置きます。

\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=-\overline{\frac{z-z^3}{z^2-z^3}}\)・・・①で\(z=x+yi\)(\(x,y\)は実数)と置いて代入する前にコンパクトな式にします。

\(\frac{z-z^3}{z^2-z^3}=\frac{z(1-z)(1+z)}{z^2(1-z)}=\frac{1+z}{z}\)とできるので①は↓になります。

\(\frac{1+z}{z}=-\overline{\frac{1+z}{z}}\)

そして\(z=x+yi\)(\(x,y\)は実数)と置いて代入します。

すると\(\frac{1+x+yi}{x+yi}=-\overline{\frac{1+x+yi}{x+yi}}\)

両辺に\((x+yi)(\overline{x+yi})\)をかけて

\((1+x+yi)(\overline{x+yi})=-(x+yi)(\overline{1+x+y}i)\)

そして両辺のバーをバラして展開してまとめると↓になります。

すると\(x^2+x+y^2=0\)となります。

最後はこの入試問題です。

「複素数平面において三角形の頂点O,A,Bを表す複素数をそれぞれ0,α,βとするとき線分OAの垂直二等分線上の点を表す複素数\(z\)は\(\overline{α}z+α\overline{z}-α\overline{α}\)を満たすことを示せ。(山形大学 改)」

大体の図を書くと↓です、OAの中点をMとし垂直二等分線上の点をPとしています。

垂直があるので回転を考えます、PMを回転してAMになると考えます。

\(α-\frac{α}{2} = (z-\frac{α}{2})r\{cos(\frac{π}{2})+isin(\frac{π}{2})\}\)(rは実数)となり右辺を展開します。

すると\(\frac{α}{2} = (z-\frac{α}{2})(ri)\)となり右辺を\(ri\)にします。

すると\(\frac{\frac{α}{2}}{z-\frac{α}{2}}=ri\)となり右辺は純虚数です。

純虚数がある時の条件を使うと↓になります。

すると\(\frac{\frac{α}{2}}{z-\frac{α}{2}}=-\overline{(\frac{\frac{α}{2}}{z-\frac{α}{2}})}\)となります。

この式を分数じゃなくしてただまとめると\(\overline{α}z+α\overline{z}-α\overline{α}\)になり証明が完了します。

 

数学Ⅲの2次曲線での図形の回転は複素数平面を使うと楽にできる

「曲線\(5x^2+2\sqrt{3}xy+7y^2=16\)・・・①を原点を中心として\(\frac{π}{6}\)だけ回転移動した曲線の方程式を求めよ。」

 

図形を回転するのではなく図形上の点を回転する。

図形の形が分からないので図形の回転を考えるのは無理です。

じゃあどうするかですが図形上の点を回転します、回転を式で表現できるのは複素数平面なので図形状の点を\(x+yi(x,yは実数)\)として回転した先の点を\(X+Yi(X,Yは実数)\)と置きます。

回転を式で表すと↓です。

\(X+Yi=(x+yi)(cos\frac{π}{6}+isin\frac{π}{6})\)

右辺をただ展開すると

\(X+Yi=\frac{\sqrt{3}}{2}x-\frac{1}{2}y+i(\frac{\sqrt{3}}{2}y+\frac{x}{2})\)となります。

\(X,Y,x,y\)は実数なので両辺の実部と虚部は等しいです。

よって\(X=\frac{\sqrt{3}}{2}x-\frac{1}{2}y\),\(Y=\frac{\sqrt{3}}{2}y+\frac{x}{2}\)が成り立ちます。

 

このやり方は計算が面倒

この2式から\(x=式,y=式\)にして①に代入して\(X,Y\)の関係式を作ってもいいですが2式を解いて\(X,Y\)の関係式を作るのは面倒ですよね?

こういう時は\(x+yi\)を回転して\(X+Yi\)とするのではなく\(X+Yi\)を回転して\(x+yi\)とします。

だから回転する角は\(-\frac{π}{6}\)で式にすると↓です。

\(x+yi=(X+Yi)\{cos(-\frac{π}{6})+isin(-\frac{π}{6})\}\)

そして右辺を展開します。

\(x+yi=\frac{1}{2}(\sqrt{3}X+Y)+\frac{1}{2}i(-X+\sqrt{3}Y)\)となり両辺の実部と虚部を比較して

\(x=\frac{1}{2}(\sqrt{3}X+Y)\),\(yi=\frac{1}{2}(-X+\sqrt{3}Y)\)となります。

そしてこの式を①に代入してただ展開してまとめると

\(5X^2+2\sqrt{3}XY+’Y^2=16\)となり\(X,Y\)を\(x,y\)に戻して

\(5x^2+2\sqrt{3}xy+’y^2=16\)となります。

次はこの問題です。

「楕円\(x^2+\frac{y^2}{3}=1\)を原点の周りに\(\frac{π}{4}\)だけ回転して得られる曲線をCとする時、点\((x,y)\)が曲線C上を動く場合の\(k=x+2y\)の最大値を求めよ。」

 

楕円上の点の置き方

楕円上の点ですが最初の問題は\(x+yi\)と置いていましたが楕円上の点の場合はそうしません。

\(x^2+(\frac{y}{\sqrt{3}})^2=1\)として\(x=cosθ,\frac{y}{\sqrt{3}}=sinθ\)と置きます。

だから\(x=cosθ,y=\sqrt{3}sinθ\)より楕円上の回転する点を\(cosθ+i\sqrt{3}sinθ\)と置きます。

回転を式で表すと↓です。

\(x+yi=cosθ+i\sqrt{3}sinθ\)

両辺の実部と虚部は実数なので

\(x=cosθ,y=\sqrt{3}sinθ\)となり\(k=x+2y\)に代入します。

すると\(k=cosθ+2\sqrt{3}sinθ\)となりこれを合成すれば解けます。

 

複素数平面での漸化式の問題の解き方を解説

複素数平面で漸化式の問題がありますが解き方が決まっています。

入試にも出題されていて解き方を覚えていれば解くことができるので解き方の解説をします。

「\(z_1=3\)および漸化式\(z_{n+1}=(1+i)z_n+i(n≧1)\)によって定まる複素数からなる数列\({z_n}\)について以下の問いに答えよ。

(1)\(z_nを求めよ\)

(2)\(z_{21}\)を求めよ」

 

数列の特性方程式と解き方が同じ

(1)数列の漸化式で例えば\(a_{n+1}=3a_n+4\)・・・①の解き方は\(a_{n+1}\)と\(a_n\)をαと置いて解きますよね、これとなぜか同じです。

だから\(z_{n+1}\)と\(z_n\)をαと置いて解きます。

\(α=(1+i)α+i\)・・・②として①-②とします。

すると\(z_{n+1}-α=(1+i)(z_n-α)\)・・・③

②からαを求めると\(α=-1\)で③に代入します。

すると\(z_{n+1}+1=(1+i)(z_n+1)\)になります。

\(z_{n+1}+1\)と\(z_n+1\)を1つのかたまりと見ると等比数列の形になっています。

だから一般項は\(z_n+1=(z_1+1)(1+i)^{n-1}\)です。

そして\(z_1=3\)なので\(z_n+1=(3+1)(1+i)^{n-1}\)

\(z_n+1=4(1+i)^{n-1}\)より\(z_n=4(1+i)^{n-1}-1\)となります。

 

複素数平面で20乗を見たらやり方がある

(2)\(z_{21}\)ですが(1)の結果に\(n=21\)と代入します。

すると\(z_{21}=4(1+i)^{20}-1\)・・・③となりますが\((1+i)^{20}\)を直接20乗してはダメです、異常に時間がかかります。

ド・モアブルの定理を使います。

\(1+i\)を極形式にして\(\sqrt{2}(cos\frac{π}{4}+isin\frac{π}{4})\)になります。

よって\((1+i)^{20}=\{\sqrt{2}(cos\frac{π}{4}+isin\frac{π}{4})\}^{20}\)となります。

この式を計算すると\(2^{10}(cos5π+isin5π)=-4096\)です。

よって③は\(z_{21}=4(1+i)^{20}-1=-4097\)となります。

 

極形式を作る問題はやることが割と決まっている

複素数平面で極形式を作らないといけない問題がありますがそんなに難しくないです。

極形式は
\(z=r(cosθ+isinθ)(r>0,0<θ≦2π)\)ですがポイントは\(sinθ\)と\(cosθ\)の間の符号を「+」にすることと\(r>0,0<θ≦2π\)を作ることです、θは\(-π<θ≦π\)でもいいです。

rを絶対値、θを偏角と言いますが偏角に関しては\(0<θ≦2π\)と\(-π<θ≦π\)は単位円周上の1周になっているので「1周に入っていればいい」と覚えましょう。

具体的な問題で解説します。

「次の複素数を極形式で表せ。ただし,偏角θは\(0<θ≦2π\)とする。

(1)\(cosθ-isinθ(0<θ<2π)\)

(2)\(sinθ+icosθ(0≦θ<\frac{π}{2})\)

(3)\(1+cosθ+isinθ(0≦θ<π)\)」

 

sinとcosの間の符号は+

(1)cosθとsinθの間の符号が「-」になっているので「+」にしないといけません。

だから\(cosθ-isinθ=cosθ+i(-sinθ)\)と式変形します。

 

sinとcosの係数は+

\((-sinθ)\)を\((sin(偏角))\)にしないといけないので\(sin(-θ)\)とします、偏角は「-」がついても大丈夫です。(後の説明を読めば分かります)

 

sinとcosの偏角は同じにしないといけない

だから
\(cosθ+i(-sinθ)=cos(-θ)+isin(-θ)\)・・・①とします、\(cos(-θ)\)にしたのはsinとcosの偏角を同じにしないといけないからです。

これで一応極形式の形になったので絶対値と偏角のチェックをしないといけません。

 

\(z=r(cosθ+isinθ)\)の形にしてから必ずチェックしないといけないこと

絶対値(r)は\(r>0\)で偏角(角度)は\(0<θ≦2π(-π<θ≦π)\)に入ってないといけないです、偏角は単位円周上の1周になっているので一周になっていれば\(0<θ≦2π(-π<θ≦π)\)じゃなくてもいいです。

この確認をしないと記述では絶対減点になるので必ずしましょう。

①は\(cos(-θ)+isin(-θ)\)で絶対値>0で問題文に\(0<θ<2π\)とあるので
\(-2π<θ<0\)となり一周に入っているから大丈夫です。

よって①は極形式と言えます。

(2)\(sinθ+icosθ\)・・・②は\(sinθ\)と\(cosθ\)の位置が逆なので極形式ではありません、だから逆にします。

 

偏角を変えて元に戻るものを選ぶ

やり方は\(cosθ+isinθ\)を勝手に持ってきて\(θ\)を\(θ+\frac{π}{2}\)や\(θ+π\)や\(θ+2π\)にいったん変えて加法定理を使って元に戻る((2)の形になる)ものを選べばいいです。

具体的にやってみせるとこうです。´

\(cos(θ+\frac{π}{2})+isin(θ+\frac{π}{2})=-sinθ-icosθ\)となり②ではない。

\(cos(θ+π)+isin(θ+π)=-cosθ-isinθ\)となり②ではない。

\(cos(\frac{π}{2}-θ)+isin(\frac{π}{2}-θ)=sinθ+icosθ\) となり②と一致。

よって\(sinθ+icosθ=cos(\frac{π}{2}-θ)+isin(\frac{π}{2}-θ)\)とできて絶対値と偏角のチェックをします。

絶対値は1なので大丈夫です、変革は\(\frac{π}{2}-θ\)ですが(2)の問題文の\(0≦θ<\frac{π}{2}\)から\(0<\frac{π}{2}-θ≦\frac{π}{2}\)となり一周に入っているから大丈夫です。

よって(2)は極形式と言えます。

 

一度解いたことがないと恐らく解けない

受験には1度解いたことがないと解けない問題がありますが(3)がそれだと思います、この問題は入試で出題されたことがあります。

どうやるかですが\(1+cosθ+isinθ\)の\(1+cosθ\)にcosの半角の公式を使います。

\(cos^2θ=\frac{1+cos2θ}{2}\)より\(1+cos2θ=2cos^2θ\)ですが左辺の2θをθにすると\(1+cosθ=2cos^2\frac{θ}{2}\)です。

よって\(1+cosθ+isinθ=2cos^2\frac{θ}{2}+isinθ\)・・・③となり\(isinθ\)の\(θ\)を\(\frac{θ}{2}\)にするためにsinの2倍角の公式を使います。

\(sin2θ=2sinθcosθ\)ですが左辺の2θをθにして\(sinθ=2sin\frac{θ}{2}cos\frac{θ}{2}\)となります。

よって③=\(2cos^2\frac{θ}{2}+i2sin\frac{θ}{2}cos\frac{θ}{2}\)となり極形式の形にします。

共通部分\(2cos\frac{θ}{2}\)でくくって

\(2cos\frac{θ}{2}(cos\frac{θ}{2}+isin\frac{θ}{2})\)となり一応極形式の形になりました。

だから絶対値と偏角のチェックをします。

絶対値は\(2cos\frac{θ}{2}\)ですが(3)の問題文に\(0≦θ<π\)があるので正です。

偏角は\(\frac{θ}{2}\)ですが1周に入っています。

よって(3)は極形式と言えます。

 

数学Ⅲの複素数平面の\(α+α^2+α^3+α^4+α^5+α^6\)みたいな問題は絶対に解けないといけない

数学Ⅲの複素数平面の問題で\(α+α^2+α^3+α^4+α^5+α^6+α^6\)みたいな問題がありますが入試に時々出題されます。

解き方が決まっていて入試で出た場合解けないとまず落ちるので入試の問題を使って解き方の解説をします。

まずはこれです。

「複素数\(α=cos\frac{2π}{7}+isin\frac{2π}{7}\)に対し,次の式の値を求めよ。ただし,iは虚数単位とする。

(1)\(α+α^2+α^3+α^4+α^5+α^6\)

(2)\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^6}\)

(3)\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^2}+\frac{1}{1-α^3}+\frac{1}{1-α^4}+\)
\(\frac{1}{1-α^5}+\frac{1}{1-α^6}\)

(4)\(\frac{α^2}{1-α}+\frac{α^4}{1-α^2}+\frac{α^6}{1-α^3}+\)
\(\frac{α^8}{1-α^4}+\frac{α^{10}}{1-α^5}+\frac{α^{12}}{1-α^6}\)」

(1)超定番問題で少し変則的な形でも出題されます。

 

右辺が1になるようにする

どうやって解くかですが問題文にある\(α=cos\frac{2π}{7}+isin\frac{2π}{7}\)の右辺が1になるように両辺を「〜乗」しますが7乗でできますよね。

だから7乗するとド・モアブルの定理より

\(α^7=cos\frac{2π}{7}×7+isin\frac{2π}{7}×7\)
\(=cos2π+isin2π=1\)となります。

そして右辺の1を左辺にやると\(α^7-1=0\)です。

 

この因数分解のやり方は知識として知っておこう

左辺を因数分解しますがこれは知識として知っておくといいです。

\(α^7-1\)
\(=(α-1)(α^6+α^5+α^4+α^3+α^2+α+1)\)

これは\(α^7\)の乗数が変わっても同じことができます。

\(α^6\)
\(=(α-1)(α^5+α^4+α^3+α^2+α+1)\)

\(α^5-1\)
\(=(α-1)(α^4+α^3+α^2+α+1)\)とかです。

話を戻して

\(α^7-1\)
\(=(α-1)(α^6+α^5+α^4+α^3+α^2+α+1)\)なので\(α^7-1=0\)は
\((α-1)(α^6+α^5+α^4+α^3+α^2+α+1)\)
\(=0\)・・・①となります。

 

式を文字で割る時に気をつけないといけないこと

両辺を\(α-1\)で割ることができれば答えを出すことができますが式を文字で割る時は0だったら割ることができないので必ず0になるかならないかの確認をしないといけないです。

問題文の\(α=cos\frac{2π}{7}+isin\frac{2π}{7}\)より\(α≠1\)なので\(α-1≠0\)となります。

よって①の両辺を\(α-1\)で割って\(α^6+α^5+α^4+α^3+α^2+α=0\)になります。

 

複素数平面でこれは意識しておいた方がいい

(2)(1)で\(α=cos\frac{2π}{7}+isin\frac{2π}{7}\)の両辺を7乗して\(α^7=1\)・・・②にしましたが複素数平面の問題で使う時があるので意識しておいた方がいいです。

値を求める式\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^6}\)に②を使いたいのでこうします。

\(\frac{1}{1-α}\)の分母と分子に\(α^6\)をかけて
\(\frac{α^6}{α^6-α^7}=\frac{α^6}{α^6-1}\)・・・③’となります。

\(\frac{1}{1-α^6}\)の分母と分子に\(α\)をかけて
\(\frac{α}{α-α^7}=\frac{α}{α-1}\)となります。・・・③

よって
\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^6}=\frac{α^6}{α^6-1}+\frac{α}{α-1}\)となり通分してうまくいきません。

だから③’は使わず③だけを使います。

すると\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^6}=\frac{1}{1-α}+\frac{α}{α-1}\)となって通分すると\(\frac{1-α}{1-α}=1\)となります。

 

前のカッコは次のカッコを解くためのヒントになっている

国立大学の問題を解く場合は前のカッコがヒントになっていることがあるので意識しましょう。

(3)の中に(2)があるので使うのですが\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^6}\)の\(α\)と\(α^6\)の乗数を足すと7乗になります。

だから(3)は乗数を足して7になるようにペアを組みます。

すると

\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^2}+\frac{1}{1-α^3}+\frac{1}{1-α^4}+\frac{1}{1-α^5}+\frac{1}{1-α^6}\)をこう式変形します。

\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^6}+\frac{1}{1-α^2}+\frac{1}{1-α^5}+\frac{1}{1-α^3}+\frac{1}{1-α^4}\)

\(\frac{1}{1-α^2}+\frac{1}{1-α^5}\)と\(\frac{1}{1-α^3}+\frac{1}{1-α^4}\)ですが求め方は(2)と全く同じで分母分子にかける乗数が変わるだけです。

だから

\(\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^6}+\frac{1}{1-α^2}+\frac{1}{1-α^5}+\frac{1}{1-α^3}+\frac{1}{1-α^4}\)
\(=1+1+1=3\)です。

 

分数を足す時はこうなっていないかを確認する

\(\frac{α^2}{1-α}+\frac{α^4}{1-α^2}+\frac{α^6}{1-α^3}+\frac{α^8}{1-α^4}+\frac{α^10}{1-α^5}+\frac{α^12}{1-α^6}\)ですが

\(\frac{α^2}{1-α},\frac{α^4}{1-α^2},\frac{α^6}{1-α^3},\frac{α^8}{1-α^4},\frac{α^{10}}{1-α^5},\frac{α^{12}}{1-α^6}\)のそれぞれが分母で分子を割ることができます。

このように分数を足す時に分母で分子を割ることができる時は割った方が計算しやすくなる印象です。

だから割るとこうなります。

\(\frac{α^2}{1-α}=\frac{1}{1-α}-(1+α)\)

\(\frac{α^4}{1-α^2}=\frac{1}{1-α^2}-(1+α^2)\)

\(\frac{α^6}{1-α^3}=\frac{1}{1-α^3}-(1+α^3)\)

\(\frac{α^8}{1-α^4}=\frac{1}{1-α^4}-(1+α^4)\)

\(\frac{α^10}{1-α^5}=\frac{1}{1-α^5}-(1+α^5)\)

\(\frac{α^12}{1-α^6}=\frac{1}{1-α^6}-(1+α^6)\)

よって求める式はこうなります。

\(\frac{1}{1-α}-(1+α)+\frac{1}{1-α^2}-(1+α^2)+\)
\(\frac{1}{1-α^3}-(1+α^3)+\frac{1}{1-α^4}-(1+α^4)+\)
\(\frac{1}{1-α^5}-(1+α^5)+\frac{1}{1-α^6}-(1+α^6)\)

\(=\frac{1}{1-α}+\frac{1}{1-α^2}+\frac{1}{1-α^3}+\frac{1}{1-α^4}+\)
\(\frac{1}{1-α^5}+\frac{1}{1-α^6}-\)
\(6-(α+α^2+α^3+α^4+α^5+α^6)\)

\(=3-6-(-1)=-2\)となります。

次は少し変則的な問題です。

「複素数\(α(α≠1)\)を1の5乗根とし,\(\overline{α}\)を\(α\)に共役な複素数とするとき,次の問いに答えよ。

(1)\(α^2+α+1+\frac{1}{α}+\frac{1}{α^2}\)であることを示せ。

(2)(1)を利用して,\(t=α+\overline{α}\)は\(α^2+α+1=0\)を満たすことを示せ。」

(1)と「αの〜」=1がある時は↓のやり方を覚えた方がいいです、問題1(1)と同じことをします。

\(α^5=1\)より\((α-1)(α^4+α^3+α^2+α+1)=0\)でα≠1より
\(α^4+α^3+α^2+α+1=0\)となります。そして証明したい式を作るために\(α^2\)で両辺を割ります。

すると\(α^2+α+1+\frac{1}{α}+\frac{1}{α^2}\)となり証明が完了しました。

 

複素数平面で時々使うやり方

(2)は\(t=α+\overline{α}\)の中に\(\overline{α}\)がありますがこうやって登場させると覚えましょう。

(1)で\(α^5=1\)がありましたがこう式変形します。

両辺に絶対値を付けて\(|α^5|=|1|\)

左辺の乗数と絶対値の位置をひっくり返して\(|α|^5=|1|\)

5乗を取って\(|α|=1\)

両辺を2乗して\(|α|^2=1\)

\(|α|^2=α\overline{α}\)より\(α\overline{α}=1\)

よって\(\overline{α}=\frac{1}{α}\)となりました

だから\(t=α+\overline{α}=α+\frac{1}{α}\)です。

これを(1)の結果に使うために(1)の結果を式変形します。

\(α^2+α+1+\frac{1}{α}+\frac{1}{α^2}=0\)

\(α^2+\frac{1}{α^2}+α+\frac{1}{α}+1=0\)

\((α^2+\frac{1}{α^2})+(α+\frac{1}{α})+1=0\)

\((α+\frac{1}{α})^2-2+(α+\frac{1}{α})+1=0\)

\((α+\frac{1}{α})^2+(α+\frac{1}{α})-1=0\)

\(t=α+\overline{α}=α+\frac{1}{α}\)より

\(t^2+t-1=0\)となります。

この手の問題は時々出題されるので解き方を覚えてないと万が一出題されたときに焦ると思います。

 

数学Ⅲの複素数平面の等式の証明や不等式の証明はこうやる

数学IIの等式の証明、不等式の証明とやり方はそんなに変わらないですが複素数平面の知識も一緒に使って証明をします。

数学Ⅱの等式の証明と不等式の証明のやり方に関しては詳しく説明した記事を書いてますのでそれを読んで下さい。

具体的な問題を通して説明します。

「複素数\(α\)が\(|α|=1\)を満たす時,\(|α-(1+i)|=|1-\overline{α}(1+i)|\)が成り立つことを示せ。ただし,\(\overline{α}\)は\(α\)と共役な複素数を表す。」

 

証明する式にバーが入っている場合はやり方が少し変わる

等式の証明は複雑な式→簡単な式と考えると考えやすくなりますがこの問題の場合は両辺とも同じ感じの式です。

その場合は両辺を計算して同じ式になる事を示しますがこの問題には\(\overline{α}\)がありバーが入っている場合は(バーが付いている式)→(バーがない式)と式変形すると証明がやりやすくなります。

だから右辺を式変形して左辺の形にします。

右辺はバーがあって左辺はバーがないのでバーを取らないといけないので\(α\)と\(\overline{α}\)がない式をつながないといけないです。

 

複素数平面で絶対値がある時の使い方はこうする

問題文に\(|α|=1\)があったので両辺を2乗して\(α\overline{α}=|α|^2\)を使います。

 

やってみる

\(|α|=1\)より\(|α|^2=1\)となり
\(α\overline{α}=|α|^2\)より\(α\overline{α}=1\)

よって\(\overline{α}=\frac{1}{α}\)となるので証明する式の右辺に代入して

\(|1-\overline{α}(1+i)|=|1-\frac{1}{α}(1+i)|\)となりこの式を通分します。

すると\(|1-\frac{1}{α}(1+i)|=|\frac{α-(1+i)}{α}|\)となり分母と分子に絶対値を振り分けます。

すると\(|1-\frac{1}{α}(1+i)|=\frac{|α-(1+i)|}{|α|}\)となります。

ここで\(|α|=1\)より\(\frac{|α-(1+i)|}{|α|}=\frac{|α-(1+i)|}{1}=|α-(1+i)|\)となりこの式は証明する式の右辺なので証明が完了しました。

次はこれです。

「\(α,β,γ\)はいずれも0でない複素数として,次の各問に答えよ。ただし,複素数\(z\)については\(\overline{z}\)は\(z\)の共役複素数,\(|z|\)は\(z\)の絶対値を表す。

(1)\(\frac{α}{β}\)が正の実数ならば,\(|α+β|=|α|+|β|\)が成り立つことを示せ。

(2)\(γ+\overline{γ}=2|γ|\)が成り立つならば,\(γ\)は正の実数であることを示せ。」

(1)もしも「\(\frac{α}{β}\)が実数」なら\(\frac{α}{β}=\overline{(\frac{α}{β})}\)ですが「正の実数」なのでそのまま置くしかないです。

だから\(\frac{α}{β}=k\)(kは正の実数)と置きます。

 

等式の条件式の使い方

この式は等式の条件式なので1文字消去します、このことについて記事を書いているので意味が分からない場合は読んで下さい。

\(\frac{α}{β}=k\)より\(α=kβ\)とします。

証明する式ですが両辺とも同じ感じなので左辺と右辺をそれぞれ計算して同じになることを示します。

左辺
\(=|α+β|\)
\(=|kβ+β|\)
\(=|β(k+1)|\)
\(=|β||k+1|\)
\(=|β|(k+1)\)となります。

右辺
\(=|α|+|β|\)
\(=|kβ|+|β|\)
\(=|k||β|+|β|\)
\(=k|β|+|β|\)
\(=k(|β|+1)\)となります。

よって左辺=右辺となるので証明完了です。

 

条件が全然ないけどこんな時はこう考える

普通は前のカッコが次のカッコを解くためのヒントになっていますが明らかに使えないですよね。

こういう困った時は複素数平面の場合は複素数を起きます。

今回は\(γ=r(cosθ+isinθ)(r>0)\)と置きます。

条件式\(γ+\overline{γ}=2|γ|\)に\(γ=r(cosθ+isinθ)\)を代入して\(γ\)が正の実数になることを示します。

すると

\(r(cosθ+isinθ)+\overline{r(cosθ+isinθ)}=2r\)・・・①(\(|γ|=r\)より)

\(\overline{r(cosθ+isinθ)}\)を式変形して\(r(cosθ-isinθ)\)になります。

よって①は\(r(cosθ+isinθ)+r(cosθ-isinθ)=2r\)となりまとめると

\(2rcosθ=2r\)となり\(r≠0\)より\(cosθ=1\)なので\(θ=0\)

よって\(γ=r(cosθ+isinθ)\)に代入して\(γ=r\)なので証明完了です。

 

次は複素数平面での不等式の証明

「α,βを複素数とする時\(\displaystyle |\frac{α-β}{1-\overline{α}β}|<1(|α|<1,|β|<1)\)が成り立つことを示せ。」

分数じゃない方が不等式の証明をしやすいので分数じゃなくするためにこうします。

\(\displaystyle \frac{|α-β|}{|1-\overline{α}β|}<1\)

\(|α-β|<|1-\overline{α}β|\)・・・①

 

問題文に絶対値がある

絶対値があるので両辺を2乗します。

\(|α-β|^2<|1-\overline{α}β|^2\)・・・②となりこの式を証明します。

\(|1-\overline{α}β|^2-|α-β|^2>0\)として左辺\(>0\)を示します。

\(|1-\overline{α}β|^2-|α-β|^2\)

\(=(1-\overline{α}β)\overline{(1-\overline{α}β)}-(α-β)\overline{(α-β)}\)

この式をただ式変形してまとめます。

すると\(1+α\overline{α}β\overline{β}-α\overline{α}-β\overline{β}\)となりこの式を因数分解します、何を考えて因数分解しようと思ったのは不等式の証明の記事に書いてあります。

\(α\overline{α}(β\overline{β}-1)-(β\overline{β}-1)\)

\(=(β\overline{β}-1)(α\overline{α}-1)\)

\(=(|β|^2-1)(|α|^2-1)\)

この式は\(|β|<1,|α|<1\)より0より小さくなるので②は成り立ちます。

よって①は成り立ちます。

等式の証明、不等式の証明は最近は全然出題されてなく今後出題の度合いが上がる可能性があるのでしっかりできるようにしましょう。

 

高校数学Ⅲの複素数平面の回転を使った問題の解き方の記事

複素数平面で回転がありますが使い所がいまいち分からない受験生がいて「こういう問題の時にも使うんじゃないかな?」と思って欲しいです。

私の印象では角度が分かる時にも使える印象です。

それでは具体的な問題で説明します。

「複素数平面上で複素数α,βの表す点をそれぞれA,Bとするとき,△OABが正三角形であるための条件は
\(α≠0\)かつ\(α^2+β^2=αβ\)であることを証明せよ。ただし,Oは原点とする。」

 

複素数平面の問題で角度がある

△OABが正三角形という事は1つの角度が\(\frac{π}{3}\)です、今は複素数平面なので回転で解けないか考えます。

問題文から簡単な図を書くと↓になります。

OAを回転してOBにすると考えます。

すると\(β=α・1\{cos(\pm\frac{π}{3})+isin(\pm\frac{π}{3})\}\)・・・①と式を書くことができます。(偏角に\(\pm\)があるのはOBを回転してOAにすると考えることもできるからです)

これを式変形して証明する式にしますが証明する時に何となくすると上手くいかない事が多いです。

 

証明でこれをやる時があるから覚えておいた方がいい

証明で時々するのですが今ある式(①の事)と証明しないといけない式を見比べて違いを見つけて式変形します

証明しないといけない式ですが「iがない」ですよね。

だから①の両辺を2乗してiを消すのですがこのまま2乗すると右辺にiが残ったままになるので右辺をiがついた式のみにします。

それではやってみせます。

①の右辺の\(cos\frac{π}{3}\)と\(sin\frac{π}{3}\)を数値にします。

すると\(β=α(\frac{1}{2}\pm\frac{\sqrt{3}}{2}i)\)となり右辺を\(\pm\frac{\sqrt{3}}{2}iα\)だけにします。

すると\(β-\frac{α}{2}=\pm\frac{\sqrt{3}}{2}iα\)となり右辺がiがついた式のみになりました。

両辺を2乗すると\((β-\frac{α}{2})^2=-\frac{3}{4}α^2\)となり左辺を展開します。

すると\(β^2-αβ+β^2+\frac{α^2}{4}=-\frac{3}{4}α^2\)となって式をまとめます。

すると\(α^2+β^2=αβ\)となり証明が完了します。

次はこの問題です。

「複素数平面上で,互いに異なる3つの複素数\(z,z^2,z^3\)を表す点をそれぞれA,B,Cとする。

\(\angle CAB=\frac{π}{2},|z|=2\)が成り立つとき,zを求めよ。」

例1みたいな問題は何となく解いても解ける時もありますが例2みたいな問題になると「問題の解き方をどういう時にするか」を意識しないと解けなくなるかもしれません。

 

複素数平面の問題で角度がある

複素数平面の問題で角度\(\frac{π}{2}\)があるので回転を考えます。

問題文から簡単な図を書くと↓になります。

ABを回転してACになると考えますがABとACの比率が分からないですよね。

だから回転をする時の式をこうします。

\(z^3-z=(z^2-z)k\{cos(\pm\frac{π}{2})+isin(\pm\frac{π}{2})\}\)・・・①(kがあるのはABとACの比率が分からないからです)

 

問題文にある情報は出来る限り式にする

①を式変形する前に問題文の条件を式にします。

問題文に「異なる3つの複素数\(z,z^2,z^3\)」とあるのでこれを式変形します。

すると\(z≠z^2,z^2≠z^3,z≠z^3\)となりこれを式にしますが3つともやり方が全く同じなので\(z≠z^2\)だけ式にするのを説明します。

 

「≠」の条件式はこうやるとやりやすくなる

「≠」で考えるとやりにくいので「=」でやります。

\(z=z^2\)を因数分解して\(z-z^2=0\)より\(z(1-z)=0\)となりこの式を解きます。

するとz=0,1となりますが「≠」の時の条件を考えるのでz≠0,1となります。

同じやり方で\(z^2≠z^3,z≠z^3\)の時の条件は
z≠0,\(\pm1\)となります。

それでは①を式変形して解きます。

\(z^3-z=(z^2-z)ki\)・・・②となってここからどうすればいいか分からなくなりますが勝手に置いた文字「k」があり式が1つしかないからこのままでは問題が解けません

 

複素数平面ので「=ki」となったらうまくいく時がある

でも複素数平面ではkiの場合(iがある)時は問題が解ける時があります。

②をこう式変形してみます。

\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=ki\)・・・②’としますが「ki」って何かを表していませんか?

そう純虚数を表していて例えばwが純虚数の時は\(w=-\bar{w}\)かつw≠0・・・③となりこの条件式を使います。(③は教科書にも載っているはずです)

(式=純虚数の形にして純虚数になるための条件を使って解くやり方は時々あるので覚えておいた方がいいです)

③のwにあたるのが②’の\(\frac{z^3-z}{z^2-z}\)です。

よって条件式は\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=-\overline{\frac{z^3-z}{z^2-z}}\)かつ\(\frac{(z^3-z)}{(z^2-z)}≠0\)になります。

\(\frac{(z^3-z)}{(z^2-z)}≠0\)ですが問題文の「異なる3つの複素数\(z,z^2,z^3\)」から分かる条件z≠0,1より明らかに成り立つので考えなくていいです。

だから\(\frac{z^3-z}{z^2-z}=-\overline{\frac{z^3-z}{z^2-z}}\)・・・④からzを求めます。

 

複素数平面で絶対値がある時はこれをよく使う

求めたい物はzですが\(\bar{z}\)が邪魔なので消したいです。

問題文にある|z|=2をまだ使っていないのでこれを使いますが複素数平面で絶対値がある時は\(z\bar{z}=|z|^2\)をよく使う印象なので覚えておきましょう。

|z|=2の両辺を2乗して\(|z|^2=4\)

\(z\bar{z}=4\)となりこれは「=」の条件式になります。

話を戻して\(z\bar{z}=4\)より\(\bar{z}=\frac{4}{z}\)として④に代入しますがその前に④を式変形します。

④の両辺の分母と分子をくくって因数分解するとこうなります。

\(\frac{z(z-1)(z+1)}{z(z-1)}=-\overline{\frac{z(z-1)(z+1)}{z(z-1)}}\)

よって\(z+1=-\overline{z+1}\)となり右辺のバーを振り分けると\(z+1=-\bar{z}1-\) になります。

この式に\(\bar{z}=\frac{4}{z}\)を代入します。

すると\(z^2+2z+4=0\)になり解の公式を使ってzを求めると\(z=-1\pm\sqrt{3}i\)となります。

 

答えが条件を満たしていることをチェックしないといけない

これは条件z≠0,1を満たしています。(必ず満たしていることを確認しないといけません)

といったところですがこの手の問題は入試で出題されたら得点源になるので解き方を覚えれ損はないです。

 

数学Ⅲの複素数平面の\(z\overline{z}=|z|^2\)は使う場面を抑えないと入試でうまく使うことができない

\(z\overline{z}=|z|^2\)は複素数平面でよく見かけますが何となく使う人が多いですよね。

学校や塾や予備校でもそういう授業をする人がいますがそれだと入試の問題を見た時に問題が解けたり解けなかったりして問題が解けなかったら合否に影響する可能性があります。

それはマズく私なりにこういう時に使えばいいというのがあるのでその説明をします。

\(z\overline{z}=|z|^2\)ですが絶対値(| |のこと)がありますよね?

絶対値がある時にこの式を使うと覚えましょう。

って説明しても何のことか分からないので具体的な問題で説明します。

まずは簡単な問題です。

[box05 title=”例”]

\(|z-1|=|z+i|\)・・・①,\(2|z-i|=|z+2i|\)・・・②を満たす複素数\(z\)を求めよ

[/box05]

 

問題文に絶対値がある

絶対値があるので①と②の両辺を2乗します。

①の両辺を2乗すると\(|z-1|^2=|z+i|^2\)となって
\(z\overline{z}=|z|^2\)の関係式を使うと

\((z-1)\overline{(z-1)}=(z+i)\overline{(z+i)}\)

\((z-1)(\overline{z}-1)=(z+i)(\overline{z}-i)\)

この式をただ展開してまとめると

\((-1+i)z=(1+i)\overline{z}\)・・・①’となります

次は②を式変形します。

②の両辺を2乗すると\(4|z-i|^2=|z+2i|^2\)となって
\(z\overline{z}=|z|^2\)の関係式を使うと

\(4(z-1)\overline{(z-i)}=(z+2i)\overline{(z+2i)}\)

\(4(z-1)(\overline{z}-i)=(z+i)(\overline{z}-2i)\)

この式をただ展開してまとめると

\(z\overline{z}+2zi-2i\overline{z}\)・・・②’となります

 

求めたい物に対して必要がない物は消す

求めたい物は\(z\)なので\(\overline{z}\)が邪魔ですよね。

だから①’と②’のどっちかから\(「\overline{z}=」\)にしてもう片方の式に代入します。

どっちから\(「\overline{z}=」\)にしても労力は変わらないと思うので①’を式変形します。

 

式を文字で割る時は必ず0になるかならないかを確認する

①’の両辺から\(\overline{z}=\)にする時に\(1+i\)で両辺で割るので0になるかならないかの確認をしますが0にならないので\(1+i\)で両辺で割ります。

すると\(\displaystyle \overline{z}=\frac{-1+i}{1+i}z\)となり②’に代入して

\(\displaystyle z・\frac{-1+i}{1+i}z+2zi-2i\frac{-1+i}{1+i}z=0\)

両辺にただ\(1+i\)をかけて式をまとめて次数に高い順に並べると

\((-1+i)z^2+4iz=0\)

\(z\{(-1+i)z+4i\}=0\)

\(z=0,\displaystyle \frac{2i}{1-i}\)となります。

「相異なる4つの複素数\(z_1,z_2,z_3,z_4\)に対して
\(\displaystyle w=\frac{(z_1-z_3)(z_2-z_4)}{(z_1-z_4)(z_2-z_3)}\)・・・①とおく。

\(z_1,z_2,z_3\)が単位円周上にあり\(w\)が実数であれば\(z_4\)単位円上にあることを示せ。」

 

最初はどうすればいいか分からなかったとしても問題文に絶対値がある

どうすればいいか分からないかもしれませんが問題文に「\(z_1,z_2,z_3\)が単位円周上にあり」とあるので\(|z_1|=1,|z_2|=1,|z_3|=1\)とします。

絶対値があるので\(|z_1|^2=1,|z_2|^2=1,|z_3|^2=1\)より
\(z_1\overline{z_1}=1\),\(z_2\overline{z_2}=1\),\(z_3\overline{z_3}=1\)・・・②

 

複素数平面で問題文に「実数」とあったら注意した方がいい

ここからどうするかですが問題文に「\(w\)が実数」とあるので\(w=\overline{w}\)とできます。

①を代入して

\(\displaystyle \frac{(z_1-z_3)(z_2-z_4)}{(z_1-z_4)(z_2-z_3)}=\overline{\frac{(z_1-z_3)(z_2-z_4)}{(z_1-z_4)(z_2-z_3)}}\)・・・③

③を式変形して\(\overline{z_1}\),\(\overline{z_2}\),\(\overline{z_3}\)を剥き出しにして②から\(「\overline{z_1}=」\),\(「\overline{z_2}=」\),\(「\overline{z_3}=」\)にして代入します。

③の左辺はずっと同じなので右辺の式変形をします。

\(\displaystyle \frac{(\overline{z_1}-\overline{z_3})(\overline{z_2}-\overline{z_4})}{(\overline{z_1}-\overline{z_4})(\overline{z_2}-\overline{z_3})}\)

\(=\displaystyle \frac{(\overline{z_1}-\overline{z_3})(\overline{z_2}-\overline{z_4})}{(\overline{z_1}-\overline{z_4})(\overline{z_2}-\overline{z_3})}\)

ここで②より

\(\displaystyle z_1=\frac{1}{\overline{z_1}}\),

\(\displaystyle z_2=\frac{1}{\overline{z_2}}\),

\(\displaystyle z_3=\frac{1}{\overline{z_3}}\)

となり代入して

\(\displaystyle \frac{(\frac{1}{z_1}-\frac{1}{z_3})(\frac{1}{z_2}-\overline{z_4})}{(\frac{1}{z_1}-\overline{z_4})(\frac{1}{z_2}-\frac{1}{z_3})}\)

\(=\displaystyle \frac{\frac{z_3-z_1}{z_1z_3}\frac{1-z_2\overline{z_4}}{z_2}}{\frac{1-z_1\overline{z_4}}{z_1}\frac{z_3-z_2}{z_2z_3}}\)

\(=\displaystyle \frac{(z_3-z_1)(1-z_2\overline{z_4})}{(1-z_1\overline{z_4})(z_3-z_2)}\)

\(=\displaystyle \frac{ (z_1-z_3)(1-z_2\overline{z_4})}{(1 – z_1\overline{z_4})(z_2-z_3)}\)

よって③は

\(\displaystyle \frac{ (z_1-z_3)(1-z_2\overline{z_4})}{(1 – z_1\overline{z_4})(z_2-z_3)}\)
\(=\displaystyle \frac{(z_1-z_3)(z_2-z_4)}{(z_1-z_4)(z_2-z_3)}\)

両辺をただ分数じゃなくして

\(z_1(1-z_4\overline{z_4})-z_2(1-z_4\overline{z_4})=0\)

\((1-z_4\overline{z_4})(z_1-z_2)=0\)・・・④となります。

 

式を文字で割る時は必ず0にならない事を確認する

ここで\(z_1-z_2\)で両辺を割るので0にならないことを確認します。

\(z_1\)と\(z_2\)は異なるので\(z_1-z_2≠0\)です。

よって④を\(z_1-z_2\)で割ると

\(z_4\overline{z_4}=1\)

\(|z_4|^2=1\)

\(|z_4|=±1\)

\(|z_4|>0\)より\(|z_4|=1\)となり\(z_4\)は単位円周上にあることが分かりました。

複素数平面で問題が難しくでどうすればいいか分からない時に絶対値があって\(z\overline{z}=|z|^2\)を使うことがあると解決できる時があるので解き方をしっかり覚えましょう。

 

軌跡の問題

\(z\overline{z}=|z|^2\)の形を作る解き方は参考書でもよく見ますが思いつけばいいのですが思いつかなかったら解けないですよね。

しかも入試でその問題が出題されて解けなかったら合否に関係する可能性があります。

 

\(z\overline{z}=|z|^2\)は使わない

私の授業では\(z\overline{z}=|z|^2\)の形を作る解き方はしません、他の方法でもっと早く解けるからです。

パターン問題なので解き方を覚えれば即点数に結びつきます。

まずは↓の問題で解き方を説明します。

「\(z\)を複素数としたとき\(|z-2i|=2|z+i|\)・・・(✳︎)を満たす点P(\(z\))はどのような図形を描くか」

 

複素数平面でこのワードがあったらする

「複素数平面でどのような図形を描くか」という軌跡の問題があったらこう考えます。

軌跡の問題ですが数学Ⅱで最初登場します。

この時動く点を\(P(x,y)\)と置きますがこの置き方に対応するのが複素数平面だと\(z=x+yi\)(\(x\),\(y\)は実数)となります。

だから複素数平面の軌跡の問題では動く点を\(z=x+yi\)(\(x\),\(y\)は実数)と置いて解きます

\(z=x+yi\)を(✳︎)に代入して

\(|x+yi-2i|=2|x+yi+i|\)となり両辺の実部と虚部をまとめます。

すると\(|x+(y-2)i|\)
\(=2|x+(y+1)i|\)となり絶対値があるので大きさを求めます。

すると\(\sqrt{x^2+(y-2)^2}\)=2\(\sqrt{x^2+(y+1)^2}\)となり\(\sqrt{ }\)を取るために両辺を2乗します。

すると\(x^2+(y-2)^2\)=4\(\{x^2+(y+1)^2\}\)となりただ両辺を展開してまとめます。

 

この答え方に注意

すると\(x^2+(y+2)^2=4\)となり「点Pは中心が(0,-2)で半径2の円を描く」となりますがこの答え方は間違っています

何が間違いかというと複素数平面を考えている時に座標を(0,-2)とは言いません、-2iと言うはずです。

だから中心の座標は-2iと答えましょう、私の生徒の多くが(0,-2)と答えます。

よって答えは「点Pは中心が-2iで半径2の円を描く」となります。

この問題は黄色チャートにも載っていて簡単なので入試の問題でも同じことができるというのを見せます。

「\(z≠0\)である複素数\(z\)に対して,\(w=\frac{1+z}{1-z}\)・・・①とする。点\(z\)が複素数平面の虚軸上を動くとき,\(w\)が描く図形の式を求めよ。」

 

描く図形の式を求めるのでこうする

\(w\)が描く図形の式を求めないといけないので\(w=x+yi(x,yは実数)\)と置きます。

\(z\)が邪魔なので消さないといけないですがどうやって消しましょう?

 

関係ない\(z\)はどうやって消すか?

問題文に「点\(z\)が複素数平面の虚軸上を動く」とあるのですがこれを使って条件式を作ります。

「\(z\)が純虚数」の時の条件式は「\(\overline{z}=-z\)(\(z≠0\))」ですがこの問題の場合

「点\(z\)が複素数平面の虚軸上を動く」なので\(z\)は・・・-3i,-2i,-i,0,1i,2i,3i,・・・と値を取っていくので\(z=0\)を含みます。

よって条件式は「\(\overline{z}=-z\)・・・②」となります。

①から\(z=式\)にして②に代入するために①を式変形します。

①より

\(w(1-z)=z+1\)

\((w+1)z=w-1\)・・・①’

 

式を文字で割る時は必ず0にならないかを確認する

\(w+1\)で両辺を割るのですが文字で割るのでもしかしたら0になるかもしれなく0になったら割ることができません。

だから0になるかならないかの確認をします。

\(w=-1\)の時①’は成立しません、だから\(w+1≠0\)なので①’を\(w+1\)で割ります。

すると\(z=\frac{w-1}{w+1}\)で②に代入します。

すると

\(\frac{w-1}{w+1}\)

\(=-(\overline{\frac{w-1}{w+1}})\)

\(=-\frac{\overline{w}-1}{\overline{w}+1}\)

\(=\frac{-\overline{w}+1}{\overline{w}+1}\)・・・②’

となります。

 

まとめてから代入する

ここでいきなり\(w=x+yi(x,yは実数)\)と置いて代入してもいいですが\(w\)がいっぱいあるので代入する所が多くて大変です。

だから一旦両辺を分数じゃなくして\(w\)をまとめてから\(w=x+yi(x,yは実数)\)と置いて代入します。

②’の両辺に\((w+1)(\overline{w}+1)\)をかけてただ計算をしてまとめると

\(w\overline{w}=1\)となり\(w=x+yi(x,yは実数)\)を代入すると

\((x+yi)(x-yi)=1\)

\(x^2+y^2=1\)となり複素数\(z\)は0中心半径1の円を描きます。

次の問題も入試の問題ですが少し難しいです。

[box05 title=”例”]\(\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)が実数となる点\(z\)全体はどのような図形か。複素数平面上に図示せよ。[/box05]

 

絶対値がなくても同じことができる

問題文に「どのような図形か」とあるので複素数平面の軌跡の問題ですが\(|z-2i|=2|z+i|\)みたいな絶対値がないですけど問題を解くことができます。

どこから手をつけて解くかというと問題文に「\(\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)が実数となる」とあります。

 

複素数平面で「\(z\)が実数」の時はこうする

例えば「複素数\(z\)が実数」とあって条件式が作れますが知ってますか?

複素数\(z\)が実数\(\Longleftrightarrow\)\(\overline{z}=z\)です。

この問題で\(z\)にあたるのは\(\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)なので次の条件式が作れます。

\(\overline{\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}}=\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)

 

いきなり代入しない

このまま\(z=x+yi\)を代入しても解けますが分母に\(z\)があるので通分しないといけなく計算が大変になりそうです。

だから通分してまとめて分数じゃなくしてから代入します。

\(\overline{\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}}=\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)の左辺のバーを振り分けて

\(\frac{1}{\overline{z}+\overline{i}}+\frac{1}{\overline{z}-\overline{i}}=\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)

\(\overline{i}=-i\)なので

\(\frac{1}{\overline{z}-i}+\frac{1}{\overline{z}+i}=\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)

左辺と右辺それぞれで通分して

\(\frac{2\overline{z}}{\overline{z}^2+1}=\frac{2z}{z^2+1}\)

両辺に\((\overline{z}^2+1)(z^2+1)\)をかけて

\(2\overline{z}(z^2+1)=2z\{(\overline{z})^2+1\}\)

 

iは絶対に消える

ここで\(z=x+yi\)(\(x\),\(y\)は実数)と代入してただ展開してまとめます、この時絶対に\(i\)は消えますので消えなかったら計算間違いをしていると思ってください。

式の中に\(i\)が入っていたら図形を答えることができなくなります。

\(2\overline{z}(z^2+1)=2z\{(\overline{z})^2+1\}\)

\(2(\overline{x+yi})\{(x+yi)^2+1\}\)
\(=2(x+yi)\{(\overline{x+yi})^2+1\}\)

\(\overline{i}=-i\)より

\((x-yi)\{(x+yi)^2+1\}\)
\(=(x+yi)\{(x-yi)^2+1\}\)

\((x-yi)(x^2+2xyi+y^2i^2+1)\)
\(=(x+yi)(x^2-2xyi+y^2i^2+1)\)

\(i^2=-1\)より

\((x-yi)(x^2+2xyi-y^2+1)\)
\(=(x+yi)(x^2-2xyi-y^2+1)\)

左辺と右辺をそれぞれ展開してまとめます。

すると\(y(x^2+y^2-1)=0\)

\(y=0\)または\(x^2+y^2=1\)となります。

\(y=0\)の時は\(z=x+yi\)に代入すると\(z=x\)となるで\(z\)は実数上にあることになります。

 

除く点は気がつくしかない時がある

\(x^2+y^2=1\)は0中心(原点のこと)半径1の円となりますが\(i\)と\(-i\)は除きます。

理由は問題文の式\(\frac{1}{z+i}+\frac{1}{z-i}\)に\(z=i\)を代入すると\(\frac{1}{z-i}\)の分母が0になり\(z=-i\)を代入すると\(\frac{1}{z+i}\)の分母が0になるからです。

これは気がつかないといけないので気がつかなかったら仕方がないです。

よって答えの図は↓になります。

 

地方国立大学の採点のやり方って気になりませんか?

解答を説明しながら書いていますが国立大学の採点のやり方って気になりませんか?

旧帝大みたいな偏差値が凄く高い所は採点基準はありますが地方国立大学の場合は恐らくないです。

私は大学、大学院が地方国立大学ですが自分の指導教官から採点について聞いていて「ここまで教えていいの?」っていう位採点のやり方を教えてくれて引きました。

採点のやり方を知らない受験生がほとんどのはずですが「こんなことが許されるの?」って思う位理不尽です。