高校数学Ⅲの定積分の計算の一貫性がある解き方
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みなさんこんにちは、jonioです。
「数学IIIの定積分の計算が遅いけど早くやる方法はないのかな〜?学校の先生はいつも置換するけど解くのが遅すぎる、、」と思った事はありませんか?
学校の授業ではまず置換積分を習います。
そしていーっぱい演習をさせられて解くのに慣れますが置換のデメリットはどこを置くのかひらめかないといけないのと解くのに時間がかかります。
学校の定期テスト対策ではそれでいいですが入試ではいきなり置換を考えない方がいいです。
目次
受験では置換とそうでないやり方の両方ができないといけない
数学Ⅲの定積分は解き方が決まっているタイプと置換のタイプがありますがどちらも同じ位の頻度で出題されるので両方できないといけません。
受験での数学Ⅲの定積分は速く解くのがポイントです。
解き方が決まっている場合は速く解けるのでまず解き方が決まっているタイプか考えてそうでない時に置換積分と考えると解くスピードが上がります。
この記事では解き方が決まっているタイプの6タイプを全部説明します。
まず↓の公式は覚えないと積分ができなくなるので覚えましょう。
・\(\int cosx dx = sinx + C\)
・\(\int sinx dx = -cosx + C\)
・\(\int e^x dx = e^x + C\)
・\(\int logx dx = xlogx-x + C\)
・\(\int \frac{1}{cos^2x} dx = tanx + C\)
・\(\int \frac{1}{sin^2x} dx = -\frac{1}{tanx} + C\)
・\(\int a^x dx = \frac{1}{logx} ・a^x + C\)
(Cは積分定数)
↑は問題を解きながら覚えた方がいいと思います。
それでは説明します。
解き方が決まっている6種類
↓が解き方が決まっています。
・一次関数との合成タイプ
・f g g’タイプ
・f’/fタイプ
・部分積分
・置き方が決まっている置換その1
・置き方が決まっている置換その2
①から順番に説明します。
F(x)は原始関数(積分した後の式)、Cは積分定数とします。
1、1次関数との合成タイプ
「∫f(ax+b)dx
=1/a・F(ax+b)+C」のことです。
このタイプはf(x)のxの所にxではない1次関数が入っている合成関数の積分になります。
解き方は以下の通りで問題を解きながら覚えるといいです。
1、f(ax+b)のax+bをxとしてf(x)を積分
2、積分したf(x)のxの所にax+bを代入
3、2の式をax+b(1次式)の係数aで割る
これをそのまま覚えるとキツいので私は「こう覚えましょう」と言います。
1次関数との合成タイプでは
原始関数に(1次式を)叩き込んで
(1次式の)係数で割れ
(↑は∫f(ax+b)dx=1/a・F(ax+b)+Cと色を対応させてください)
最初にf(x)を積分するのでf(x)を探さないといけないのですが探し方は簡単でf(x)のxの所にxでない1次式が入っているものがf(x)になります。
これだけ言ったところで意味が分からないと思うので具体例で説明します。
「\(\int_0^1 cos(5x+1) dx\)」
まずf(x)を探さないといけないです。
探し方はf(x)のxの所にxじゃない1次式が入っているものです。
xじゃない1次式は「5x+1」です。
だからf(x)は「cosx」になります。
では解き方の手順通りに積分します。
解き方を言葉にした覚え方を↓の1、2、3それぞれの右の( )の中に書いておきますので解き方の感覚をつかんで下さい。
1、cosxを積分するとsinx(原始関数に)
2、sinxのxに5x+1を代入してsin(5x+1)(叩き込んで)
3、sin(5x+1)を5x+1の係数5で割ってsin(5x+1)/5(係数で割れ)
そして答えは\(\left[\frac{sin(5x+1)}{5}\right]^1_0\)となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
次はこれです。
「\(\int_0^1 e^{2x+3} dx\)」
まずf(x)を探さないといけないです。
探し方はf(x)のxの所にxじゃない1次式が入っているものです。
xじゃない1次式は「2x+3」です。
だからf(x)は「ex」になります。
では解き方の手順通りに積分します。
1、exを積分するとex (原始関数に)
2、exのxに2x+3を代入してe2x+3(叩き込んで)
3、e2x+3を2x+3の係数2で割ってe2x+3/2(係数で割れ)
そして答えは\(\left[\frac{e^{2x+3}}{2}\right]^1_0\)となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
あと1つ説明します。
「\(\int_0^1 (7x+5)^2 dx\)」
まずf(x)を探さないといけないです。
探し方はf(x)のxの所にxじゃない1次式が入っているものです。
xじゃない1次式は「7x+5」です。
だからf(x)は「(x)²」になります。
では解き方の手順通りに積分します。
1、(x)²を積分すると(x)³/3(原始関数に)
2、(x)³/3のxに7x+5を代入して(7x+5)³/3(叩き込んで)
3、(7x+5)³/3を7x+5の係数7で割って{(7x+5)³/3}・1/7(係数で割れ)
そして答えは\(\left[\frac{(7x+5)^3}{3}・\frac{1}{7}\right]^1_0\)となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
2、f g g’タイプ
「f(g(x))g'(x)dx
=F(g(x))+C」のことです。
これも合成関数ですが「1次関数の合成タイプ」はxの所に1次式が入っていたのに対してこの場合は「xの1次式じゃない式」が入っています。
そしてf(g(x))とg'(x)の積になっています。
解き方は以下の通りで問題を解きながら覚えるといいです。
1、f(g(x))のg(x)をxとしてf(x)を積分する
2、1のf(x)のxにg(x)を代入する
私は「こう覚えましょう」と言います。
f g g’いつもやるのは緑の積分(fを緑色にしているから)
(↑は∫f(g(x))g'(x)dx=F(g(x))+Cと色を対応させてください)
最初にf(x)を積分するのでf(x)を探さないといけないですが探し方は簡単でf(x)のxに1次式以外の式が入っているものを探しましょう。
その際にg'(x)がf(g(x))との積になっていることを必ず確認して下さい。
g'(x)がf(g(x))との積になっていなかったらこのタイプではありません。
問題を見せた方がいいので具体例で説明します。
「\(\int_0^1 2xe^{x^2} dx\)」
まずf(x)を探さないといけないです。
探し方はf(x)のxの所にxの1次式じゃない式が入っているものです。
xの1次式じゃない式は「x2」なのでこれがg(x)のはずです。
そしてg'(x)になるかの確認です。
g(x)はx2で微分すると2xでg'(x)になっています。
だからf(x)は「ex」になります。
では解き方の手順通りに積分します。
解き方を言葉にした覚え方を( )に書いておきますので解き方の感覚をつかんで下さい。
1、f g g’いつもやるのはexの積分でexを積分するとex
2、exのxにx2を代入してex2
そして答えは\(\left[e^{x^2}\right]^1_0\)となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
次はこれです。
「\(\int_0^\frac{π}{2} cosxsin^2x dx\)」
まずf(x)を探さないといけないです。
探し方はf(x)のxの所にxの1次式じゃない式が入っているものです。
xの1次式じゃない式は「sinx」なのでこれがg(x)のはずです。
そしてg'(x)になるかの確認です。
g(x)はsinxで微分するとcosxでg'(x)になっています。
だからf(x)は「(x)2」になります。
では解き方の手順通りに積分します。
1、f g g’いつもやるのは(x)2の積分で(x)2を積分するとx3/3
2、x3/3のxにsinxを代入して(sinx)3/3
そして答えは\(\left[\frac{(sinx)^3}{3}\right]^\frac{π}{2}_0\)
となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
あと1つ説明します。
「\(\int_1^2 \frac{(logx)^2}{x} dx\)」
まずf(x)を探さないといけないです。
探し方はf(x)のxの所にxの1次式じゃない式が入っているものです。
xの1次式じゃない式は「logx」なのでこれがg(x)のはずです。
そしてg'(x)の確認です。
g(x)はlogxで微分すると1/xでg'(x)になっています。
だからf(x)は「(x)2」になります。
では解き方の手順通りに積分します。
1、f g g’いつもやるのは(x)2の積分で(x)2を積分すると(x)3/3
2、x3/3のxにlogxを代入して(logx)3/3
そして答えは\(\left[\frac{(logx)^3}{3}\right]^2_1\)
となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
あわせてこの動画も見ると理解が深まると思います。
3、f’/fタイプ
「∫f'(x)/f(x)dx=log|x|+C」のことです。
積分する式が分数の時はこのタイプであることが多いです。
解き方は以下の通りで問題を解きながら覚えるといいです。
1、分母を微分して分子になるか確認する
2、分母を微分して分子になっていたら積分結果はlog|分母|
私は「こう覚えましょう」と言います。
f’/fではlog|分母|
具体例で説明します。
「\(\int_0^1 \frac{2x+1}{x^2+x} dx\)」
分母のx2+xを微分すると2x+1 になります。
だから積分するとlog|2x+1|
そして答えは\(\left[log|x^2+x|\right]^2_1\)となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
次はこれです。
「\(\int_0^\frac{π}{2} \frac{sinx}{cosx} dx\)」
分母のcosxを微分すると−sinxで分子に−がありません。
だから(−sinx/cosx)・(−1)とすればいいです(「・(−1)はつじつま合わせのためについている」)
そして積分するとlog|cosx|
そして答えは\(\left[-log|cosx|\right]^\frac{π}{2}_0\)となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
あと1つ説明します。
「\(\int_1^2 \frac{1}{xlogx} dx\)」
分母を微分しても分子になりませんがこうすれば大丈夫です。
\(\int_1^2 \frac{\frac{1}{x}}{logx} dx\)
分母を微分すると分子になるので積分するとlog|logx|
そして答えは\(\left[log|cosx|\right]^2_1\)
となり積分区間を代入して答えです。(計算は簡単なので省略します)
4、部分積分
「∫f(x)g(x)dx
=F(x)g(x)−∫F(x)g'(x)dx・・・(✳︎)」のことです。
これが嫌いな受験生が多いですがやっていることは単純です。
解く手順を説明します。
1、f(x)かg(x)のどちらかを積分する。(どっちを積分するかは慣れなのですが大体の目安があるのであとで説明をします)
f(x)を積分したとします。
2、そして「F(x)g(x)−」を書く。
3、積分しなかった方(今の場合はg(x))を微分して最初に積分したF(x)との積にして(F(x)g'(x)という意味)∫とdxをつけた∫F(x)g'(x)dxを「F(x)g(x)−」のあとに付けて出来上がりです。
1でf(x)とg(x)のどちらを積分するかですが私はこうしています。
部分積分の際にf(x)かg(x)のどちらかに「xの〜乗」がある時は
(xの〜乗)・(logx)の時:「xの〜乗」を積分
(xの〜乗)・(logx以外の式)の時は「logx以外の式」を積分
具体例で説明しますが慣れた方がいいです。
「\(\int_1^2 x^2logx dx\)」
解く手順通りにします。
1、x2があってlogxとの積なのでxを積分してx3/3でlogxとの積にして\(\left[\frac{x^3}{3}・logx \right]^2_1\)
2、logxを微分して1/xで(x3/3)との積にして1/x・(x3/3)で−∫とdxをつけた\(-\int_1^2 \frac{1}{x}・\frac{x^3}{3} dx\)を\(\left[\frac{x^3}{3}・logx\right]^2_1 \)のあとにつけます。
そして\(\left[\frac{x^3}{3}・logx\right]^2_1 -\int_1^2 \frac{1}{x}・\frac{x^3}{3} dx\)
を積分して終わりです。(計算は簡単なので省略します)
次はこれです。
「\(\int_0^\frac{π}{2} xsinx dx\))」
解く手順通りにします。
1、xがあってsinxとの積なのでsinxを積分して−cosxでxとの積にして\(\left[x(-cosx)\right]^\frac{π}{2}_0 \)
2、xを微分して1で(−cosx)との積にして1・(−cosx)で−∫とdxをつけた\(-\int_0^\frac{π}{2} 1・(-cosx) dx\)を\(\left[x(-cosx)\right]^\frac{π}{2}_0 \)
のあとにつけます。
そして\(\left[x(-cosx)\right]^\frac{π}{2}_0-\int_0^\frac{π}{2} 1・(-cosx) dx \)
を積分して終わりです。(計算は簡単なので省略します)
あと1つ説明します。
「\(\int_0^1 xe^x dx\)」
解く手順通りにします。
1、xがあってexとの積なのでexを積分してexでxとの積にして\(\left[xe^x\right]^1_0 \)
2、xを微分して1で(ex)との積にして1・(ex)で−∫とdxをつけた\(-\int_0^1 1・(e^x) dx\)を\(\left[xe^x\right]^1_0 \)のあとにつけます。
そして\(\left[xe^x\right]^1_0-\int_0^1 1・(e^x) dx \)
を積分して終わりです。(計算は簡単なので省略します)
5、置き方が決まっている置換その1
「\(\int \sqrt{a^2-x^2}dx(aは0ではない定数) \)」のことです。
\(x=asinθ\)または\(x=acosθ\)とおきます。(置換です)
具体的な問題で説明します。
「\(\int_0^1 \sqrt{4-x^2}dx \)の値を求めよ」
\(x=2sinθ\)(または\(x=2cosθ \))・・・①とおきます。
\(x=2sinθ \)を\(θ\)で微分して\(\frac{dx}{dθ}=2cosθ \)
よってdx\(=2cosθdθ \)・・・②
\(x\)の積分区間を\(θ\)の積分区間に変換します。
\(\int_0^1 \sqrt{4-x^2}dx\) の積分区間の\(x\)を①に代入して\(θ\)の範囲を求めます。
すると
\(\begin{array}{ccc} \hline x & 0→ & 1 \\ \hline θ & 0→ & \frac{π}{6}\ \\ \hline \end{array}\)
よって最初の式はこうなります。
\(\int_0^1\sqrt{4-x^2}\)dx
\(=\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{4-(2sinθ)^2}\)dx
\(=\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{4-4sin^2θ}\) ・2cosθdθ
(②を使ってdxを2cosθdθに変換しています)
\(2\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{4-4sin^2θ}・cosθdθ\)
\(=2・2\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{1-sin^2θ}・cosθdθ\)
ここで\(1-sin^2θ=cos^2θ\) より
\(=2・2\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{cos^2θ}・cosθdθ\)
ここで\(\sqrt{cos^2θ}=|cosθ|\)なので
\(=2・2\int_0^\frac{π}{6} |cosθ|cosθdθ\)
ここで積分区間は\(0〜\frac{π}{6}なので|cosθ|=cosθ\)
よって\(2・2\int_0^\frac{π}{6} cos^2θdθ\)
\(cos^2θ=\frac{1+cos2θ}{2}\) より
\(2・2\int_0^\frac{π}{6}\frac{1+cos2θ}{2}dθ\)
\(=2\int_0^\frac{π}{6} (1+cos2θ)dθ\)
\(=2\left[θ+\frac{sin2θ}{2}\right]^\frac{π}{6}_0 \)
あとは積分区間を代入して計算すれば答えが出ます。(計算は簡単なので省略します)
説明しながら解答を書いたので解答のみを書きます。
[解答]
\(x=2sinθ\)とおく
\(\frac{dx}{dθ}=2cosθ \)よりdx\(=2cosθdθ \)
\(\begin{array}{ccc} \hline x & 0→ & 1 \\ \hline θ & 0→ & \frac{π}{6}\ \\ \hline \end{array}\)
よって\(\int_0^1\sqrt{4-x^2}\)dx
\(=\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{4-(2sinθ)^2}\)dx
\(=\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{4-4sin^2θ}\) ・2cosθdθ
\(=2\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{4-4sin^2θ}・cosθdθ\)
\(=2・2\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{1-sin^2θ}・cosθdθ\)
\(=2・2\int_0^\frac{π}{6} \sqrt{cos^2θ}・cosθdθ\)
\(=2・2\int_0^\frac{π}{6} |cosθ|cosθdθ\)
よって\(2・2\int_0^\frac{π}{6}cos^2θdθ\)
\(2・2\int_0^\frac{π}{6}\frac{1+cos2θ}{2}dθ\)
\(=2\int_0^\frac{π}{6} (1+cos2θ)dθ\)
\(=2\left[θ+\frac{sin2θ}{2}\right]^\frac{π}{6}_0 \)
\(=2(\frac{π}{6}+\frac{\sqrt{3}}{4}) \)
最後はこれです。
「\(\int_0^1\frac{dx}{\sqrt{4-x^2}}\)」
\(x=2sinθ\)(または\(x=2cosθ \))・・・①とおきます。
\(x=2sinθ \)を\(θ\)で微分して\(\frac{dx}{dθ}=2cosθ \)
よってdx\(=2cosθdθ \)・・・②
\(x\)の積分区間を\(θ\)の積分区間に変換します。
\(\int_0^1\frac{dx}{\sqrt{4-x^2}}dx\)の積分区間の\(x\)を①代入して\(θ\)の範囲を求めます。
すると
\(\begin{array}{ccc} \hline x & 0→ & 1 \\ \hline θ & 0→ & \frac{π}{6}\ \\ \hline \end{array}\)
よって最初の式はこうなります。
\(\int_0^1\frac{dx}{\sqrt{4-x^2}}\)
\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{\sqrt{4-4sin^2x}}\)・2cosθdθ
(②を使ってdxを2cosθdθに変換しています)
\(2\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{\sqrt{4-4sin^2x}}・cosθdθ\)
\(=2\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{2}・\frac{1}{\sqrt{1-sin^2x}}・cosθdθ\)
ここで\(1-sin^2θ=cos^2θ\) より
\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{\sqrt{cos^2x}}・cosθdθ\)
ここで\(=\sqrt{cos^2θ}=|cosθ|\)なので
\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{|cosθ|}cosθdθ\)
ここで積分区間は\(0〜\frac{π}{6}なので|cosθ|=cosθ\)
よって\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{cosθ}cosθdθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6} 1dθ\)
あとは計算すれば答えが出ます。(計算は簡単なので省略します)
説明しながら解答を書いたので解答のみを書きます。
[解答]
\(x=2sinθ\)とおく
\(x=2sinθ \)より\(\frac{dx}{dθ}=2cosθ \)
dx\(=2cosθdθ \)・・・①
\(\begin{array}{ccc} \hline x & 0→ & 1 \\ \hline θ & 0→ & \frac{π}{6}\ \\ \hline \end{array}\)
よって
\(\int_0^1\frac{dx}{\sqrt{4-x^2}}\)
\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{\sqrt{4-4sin^2x}}\)・2cosθdθ
\(2\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{\sqrt{4-4sin^2x}}・cosθdθ\)
\(=2\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{2}・\frac{1}{\sqrt{1-sin^2x}}・cosθdθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{\sqrt{cos^2x}}・cosθdθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{|cosθ|}cosθdθ\)
ここで積分区間は\(0〜\frac{π}{6}なので|cosθ|=cosθ\)
よって\(=\int_0^\frac{π}{6} \frac{1}{cosθ}cosθdθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6} 1dθ\)
\(=\left[θ\right]^\frac{π}{6}_0 \)
\(=\frac{π}{6} \)
[/box05]
6、置き方が決まっている置換その2
「\(\int \frac{1}{a^2+x^2}dx(aは0ではない定数) \)」のことです。
このタイプは\(x=atanθ \)・・・①とおきます。
この問題で説明します。
「\(\int_0^1 \frac{dx}{3+x^2}dx \)の値を求めよ」
\(\frac{1}{3+x^2}=\frac{1}{(\sqrt{3})^2+x^2}\) なので\(x=\sqrt{3}tanθ\)とおきます。
\(x=\sqrt{3}tanθ\)を\(x\)で微分します。
\(\frac{dx}{dθ}=\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}\)よりdx\(=\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}dθ\)となります。
\(x\)の積分区間を\(θ\)の積分区間に変換します。
\(\int_0^1 \frac{dx}{3+x^2}dx\)の積分区間の\(x\)を①に代入して\(θ\)の範囲を求めます。
すると
\(\begin{array}{ccc} \hline x & 0→ & 1 \\ \hline θ & 0→ & \frac{π}{6}\ \\ \hline \end{array}\)
よって最初の式はこうなります。
\(\int_0^1\frac{1}{(\sqrt{3})^2+x^2}\) dx
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{1}{(\sqrt{3})^2+(\sqrt{3}tanθ)^2}・\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{1}{3(1+tan^2θ)}・\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}dθ\)・・・①
ここで\(1+tan^2θ=\frac{1}{cos^2θ}\)より①はこうなります。
①\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{\sqrt{3}}{3・\frac{1}{cos^2θ}}・\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{3}{\sqrt{3}}cos^2θ・\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{3}{\sqrt{3}}dθ\)
あとはこの式を積分するだけです。(計算は簡単なので省略します)
説明しながら解答を書いたので解答だけを書きます。
[解答]
\(x=\sqrt{3}tanθ\)とおく
\(\frac{dx}{dθ}=\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}\)よりdx\(=\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(\begin{array}{ccc} \hline x & 0→ & 1 \\ \hline θ & 0→ & \frac{π}{6}\ \\ \hline \end{array}\)
よって
\(\int_0^1\frac{1}{(\sqrt{3})^2+x^2}\) dx
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{1}{(\sqrt{3})^2+(\sqrt{3}tanθ)^2}・\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{1}{3(1+tan^2θ)}・\sqrt{3}\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{\sqrt{3}}{3・\frac{1}{cos^2θ}}・\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{\sqrt{3}{3}}cos^2θ・\frac{1}{cos^2θ}dθ\)
\(=\int_0^\frac{π}{6}\frac{\sqrt{3}}{3}dθ\)
\(=\left[\frac{\sqrt{3}}{3}θ\right]^\frac{π}{6}_0 \)
\(=\frac{\sqrt{3}}{18} \)
これで解き方が決まっているタイプは終わりです。
1〜6までの解き方ですがどの順番に解くかについては解き方の説明をする時に「こういう時の解き方」と説明しました。
しかし最初から「どういう時」と意識するのは恐らく無理なので1→2→3→4の順に考えればいいです。
私は授業でそう説明しているし私が受験生の時も慣れるまでは1→2→3→4の順番に考えています。
といったところです。
演習をいっぱいしないと計算力が付かないので教科書や学校で渡された問題集を使ってどんどん演習をしましょう。
数学Ⅲの積分はできないと理系にとって大きな痛手になるのでしっかり学習して解けるようにしましょう。