大学受験・高校数学の因数分解が理解できる解説

大学受験・高校数学の因数分解が理解できる解説

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みなさんこんにちは、jonioです。

「因数分解ができたりできなかったりする。受験に必要な問題に対応できる因数分解の方法はないかな?」と思った事はありませんか?

因数分解ですが問題を解きまくれば定期テストは対応できます。

しかしそれでは受験レベルになると対応できなくどういう式になっても因数分解できないといけません。

だから一貫してできる因数分解の方法が必要になります。 

私が受験生の時は一貫してできる因数分解の方法を知らなかったのですが今は知っているので因数分解のやり方を説明します。

入試の問題で「因数分解をしなさい」という問題はまず出題されず問題を解いていて因数分解をしないといけない時があります。

問題を何となく解いている人は因数分解をしないといけないのに気がつかず問題が解けないという時があります。

だから因数分解はどんな時に使うのかも知ってないと使えないのでそれに関しても説明します。

学校の授業だとこういうのはまず学習できないのでこれも必見です、私が授業で説明している内容をなるべく再現します。

それでは説明します。

因数分解の手順は1〜3まであり理由も説明しますが意味が分からなかったら解き方だけ覚えて問題ないです。

 

高校数学の因数分解の手順です。

因数分解を学校で習ったばかりで解き方があいまいになっている人はこの記事の手順をとにかく何度もやって解き方を身につけてから記事の内容を理解して下さい。

いきなり理解しようとすると挫折して数学の勉強を止める可能性があります。

それでは説明です。

 

因数分解の手順1、共通部分(共通因数)でくくる

理由は例えば\(2x^2+6x+4\)を因数分解する時にそのままの状態で因数分解するよりも共通部分(共通因数と言います)2くくってからの方が因数分解しやすいからです。

\(2x^2+6x+4\)は因数分解しにくい

\(2x^2+6x+4=\)2\((x^2+3x+2)\)は因数分解しやすい(たすきがけが簡単にできる)

 

因数分解の手順2、因数分解の公式を使う

・\(abx^2+(ac+bd)x+cd\)
\(=(ax+c)(bx+d)\)(たすきがけのこと)

・\(abx^2-(ac+bd)x+cd\)
\(=(ax-c)(bx-d)\)(たすきがけのこと)

・\(x^2+2xy+x^2=(x+y)^2\)

・\(x^2-2xy+x^2=(x-y)^2\)

・\(x^3+3x^2y+3xy^2+x^3=(x+y)^3\)

・\(x^3-3x^2y+3xy^2+x^3=(x-y)^3\)

・\(a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca\)
\(=(a+b)^2\)

・\(a3+b3+c3-3abc\)
\(=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)\)

これを考える理由は共通部分(共通因数)でくくったあとなら因数分解の公式が使いやすくなるからです。

↓を見た方がイメージがわきやすいと思います。

\(2x^2+6x+4\)は因数分解はできるけど係数が少し大きい

\(2(x^2+3x+2)\)は( )の中は簡単に因数分解できる

 

因数分解の手順3、1つの文字の式と見てその文字について次数が高い順に書く。

\(x^2+xy-2y^2+4x+5y+3\)で説明します。(文字の種類が\(x\)と\(y\)の2種類です)

文字が2種類以上ある時ですが文字が1種類だと因数分解しやすいです。

例えば\(x^2+3x+2\)は簡単に因数分解できますよね。

だからどれかの文字の式と見るのですが最低次数の文字の式と見た方が考えやすいです。

最低次数の文字の式と見る理由は例えば「\(x^5\)と\(x\)のどちらでもいいから\(x\)に151を代入して下さい」と言われたら\(x^5\)に代入しますよね。

数学は一般的に次数が低い文字で考えると楽になります。 

xとyはどちらも2次式ですが係数が小さい方が考えやすいのでxの式と見ます。

次数が高い順に書く理由は因数分解する時は次数が高い順に書くからです。

そうすると\(x2+(y+4)x-2y^2+5y+3\)となります。

因数分解の手順3まで終わったら因数分解の手順1に戻ります。

1→2→3→1→2→3→・・・と考えて行きますが3まで終わって1に戻った場合必ず2で因数分解できます

因数分解できないと1→2→3がずっとループするからです。

この場合2までで共通部分(共通因数)でくくることができるなど気が付かないといけないことが必ずあります。

ここまでの説明をまとめると↓です。

理由も説明しましたが意味が分からなかったら丸暗記で全く構いません

[因数分解の手順]

1、共通部分(共通因数)でくくる。

2、因数分解の公式を使う。

3、1つの文字(最低次数)の式と見て次数が高い順に書く。

使って見せないと感覚がつかめないと思うので\(x^2+xy-2y^2+4x+5y+3\)で因数分解の手順に従って因数分解します。

「因数分解の手順1、共通部分(共通因数)でくくれないか」ですがぱっと見た感じくくれないかを考えればいいです。

共通部分はなさそうですよね。

だから「因数分解の手順2、因数分解の公式が使えないか」を考えます。

公式は使えなさそうですよね。

だから「因数分解の手順3、1つの文字(最低次数)の式と見て」次数が高い順に書きます。

文字は\(x\)と\(y\)でどちらも最高次数は2次ですが\(x^2\)の係数が1なので\(x\)の式と見ます。

\(x\)の式と見て次数が高い順に書くと
\(x^2+(y+4)x-2y^2+5y+3\)となります。

そして「因数分解の手順1、共通部分(共通因数)でくくる」になりますがくくる所が見つかりません。

だから「因数分解の手順2、因数分解の公式」が使えないか考えるのですが絶対に因数分解ができるようになっています。

気が付かないといけないことがあるので何かないか探しましょう。

\(x^2+(y+4)x-2y^2+5y+3\)
\(=x^2+(y+4)x-\)(2y2 -5y-3)(2y2 -5y-3)を因数分解します。

すると2y2 -5y-3=(y-3)(2y+1)となります。

よって\(x^2+(y+4)x-\)(y-3)(2y+1)を因数分解すると↓となります。

\(x^2+(y+4)x-(y-3)(2y+1)\)
\(=(x+2y+1){x-(y-3)}=(x+2y+1)(x-y+3)\)

他の例で因数分解の手順を使って解き方を説明します。

\(a(b+c)^2+b(c+a)2+c(a+b)^2-4abc\)

「因数分解の手順1、共通部分(共通因数)でくくれないか」は無理です。

「因数分解の手順2、因数分解の公式が使えないか」も無理です。

だから「因数分解の手順3、1つの文字(最低次数)の式と見て」次数が高い順に書きます。

登場している文字は\(a、b、c\)ですが展開した後を考えるとどの文字も最高次数は2次なのでaの式と見ます。(\(a、b、c\)どの文字の式と見ても大丈夫です)

aの式と見て次数が高い順に書くのですがaの1次式のa(b+c)2(b+c)2ですがaに関係ないのでいったん展開しません。

\(b(c+a)^2とc(a+b)^2\)は\(a^2\)が散らばるので展開してまとめます。

\(a(b+c)^2+b(c+a)^2+c(a+b)^2-4abc\)
\(=a(b+c)^2+b(c^2+2ca+a^2)+c(a^2+2ab+b^2)\)
\(-4abc\)
\(=(b+c)a^2\)
\(+{(b+c)^2+2bc+2bc-4bc}a+bc^2+cb^2\)
=(b+c)\(a^2+\)(b+c)2a+bc(b+c)

そして「因数分解の手順1、共通部分(共通因数)でくくれないか」ですが(b+c)でくくれるのでくくると(b+c)\({a2+(b+c)a+bc}\)です。

そして「因数分解の手順2、因数分解の公式が使えないか」ですが{a2+(b+c)a+bc}をたすきがけして↓です。

(b+c)\({a2+(b+c)a+bc}=\)(b+c)\((a+b)(a+c)\)

これが因数分解の手順です。

大学受験の問題を解いている途中に因数分解が出てきた時にはこれで対応できるはずです。

黄色チャートなどの問題集にこういう因数分解の形の時の解き方みたいに説明されているのですがどういう形の時もできる因数分解をできないと入試には対応できません。

次は因数分解の使い所です、こちらの方が知ってないといけません。

 

因数分解はどんな時に使えるかを知らないと入試で使えない。

因数分解は積の形になっています。

\(2y2 -5y-3=(y-3)(2y+1)\)で右辺が積の形です。

積の形は符号の判断に便利です。

理由を説明します。(説明の意味が分からなかったら丸暗記でも構いません)

大小関係と符号が分からない\(x\)と\(y\)があったとします。

\(x\)と\(y\)の足し算、引き算、掛け算を考えてみます。

[\(x\)+\(y\)について]

(正の数)+(正の数)=正の数

(正の数)+(負の数)=符号は不明(\(x\)と\(y\)の大小関係が分からないから)

(負の数)+(正の数)=符号は不明(\(x\)と\(y\)の大小関係が分からないから)

(負の数)+(負の数)=負の数

この結果足し算は符号が分かったり分からなかったりで符号の判断に向きません。

[\(x\)-\(y\)について]

(正の数)-(正の数)=符号は不明(\(x\)と\(y\)の大小関係が分からないから)

(正の数)-(負の数)=正の数

(負の数)-(正の数)=負の数

(負の数)-(負の数)=符号は不明(\(x\)と\(y\)の大小関係が分からないから)

この結果引き算は符号が分かったり分からなかったりで符号の判断に向きません。

掛け算は符号が絶対に分かります。

[\(x\)-\(y\)について]

(正の数)×(正の数)=正の数

(正の数)×(負の数)=負の数

(負の数)× (正の数)=負の数

(負の数)×(負の数)=正の数

この結果掛け算は符号が分かるので符号の判断に向きます。

因数分解は積の形になっているので符号の判断をしたい時に使えます。

実際は\((y-3)(2y+1)\)のままではyの符号が分からないのでyの範囲が付いています。

符号が付いてなくてもいいのは\((a+b)^2\)などの文字の符号が分からなくても符号が分かる\(( )^2\)の形の時です。

符号の判断はどんな場面で出てくるかですが例えば不等式の証明で出てきます。

不等式の証明のやり方に関する記事を投稿していますので読めば因数分解の使い方が分かります。

塾や学校で聞けないやり方を説明しています。

 

因数分解ですが符号の判断以外は計算スピードを上げる時に使えます。

例えば\(16×17\)を計算する時ですが

16=15+117=15+2です。

だから16×17=(15+1)×(15+2)として頭の中で展開して計算すると早く計算できます。(15×15=225は覚えているのが前提です)

このやり方ですが自分に合わなそうならしない方がいいです、それで計算間違いが増えるなら意味がないので。

特に入試直前でこの記事を読んでいたらこの計算方法はするべきではありません。

因数分解は割と使うのでしっかり練習をしていつ出てきても問題なく計算できるようにして使い所をしっかり抑えましましょう。