数学Ⅲの積分漸化式の問題をパターンで解く方法

数学Ⅲの積分漸化式の問題をパターンで解く方法

973 回閲覧されました

みなさんこんにちは、jonioです。

「数学IIIの積分漸化式の問題が解けない。解き方を覚えないといけないのかな?それとも理解しないといけないのかな?」と思った事はありませんか?

積分漸化式は超パターン問題ですが今回は問題の解き方の解説をします。

\(sin^nx、cos^nx、tan^nx、(logx)^n\)とありますが\(sin^nx、cos^nx、tan^nx\)が覚えるのが大変と思います。

 

\(sin^nx\)のタイプ(解き方を覚えるのが大変)

\(I_n=\int_0^\frac{π}{2} sin^nx dx(n ≧ 0)\)が成り立つ時\(I_n\)と\(I_{n-2}(n ≧ 2)\)の関係式を求めよ。

\(sin^nx\)と\(cos^nx\)の時はやり方が同じで1乗を出します

\(sin^nx\)の部分だけ式変形すると\(sin^nx=sin^{n-1}x・sinx\)になります。

そして部分積分をします。(最初に\(sin^{n-1}xかsinx\)を積分ですが\(sinx\)を積分です)

\(I_n=\int_0^\frac{π}{2} sin^x dx\)

\(=\int_0^\frac{π}{2} sin^{n-1}x・sinx dx\)

\(=\left[sin^{n-1}x(-cosx)\right]^ \frac{π}{2}_ 0\)

\(-\int_ 0^ \frac {π}{2} (-cosx)・(n-1)sin^{n-2}x・cosx dx\)

(\(sinx\)を積分しています)

\(=\left[sin^{n-1}x(-cosx)\right]^ \frac{π}{2}_ 0\)

\(+\int_ 0^ \frac {π}{2} cos^2x・(n-1)sin^{n-2}x dx\)

\((cosx・cosx=cos^2xを使いました)\)

ここで\(\left[sin^{n-1}x(-cosx)\right]^ \frac{π}{2}_ 0\)は積分区間を代入すると0になります。

よって

\(I_n=\int_ 0^ \frac {π}{2} cos^2x・(n-1)sin^{n-2}x dx \)

\(=\int_ 0^ \frac {π}{2} (1-sin^2x)・(n-1)sin^{n-2}x dx\)

(\(sin^2x+cos^2x=1\)より\(cos^2=1-sin^2x\)を使っています)

\(=(n-1)\int_ 0^ \frac {π}{2} (sin^{n-2}x-sin^nx) dx・・・① \)

ここで\(I_n=\int_0^\frac{π}{2} sin^nx dx\)

より\(I_{n-2}=\int_0^\frac{π}{2} sin^{n-2}x dx\)

よって①\(=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \)となります。

1番最初の式\(I_n \)を式変形して\(I_n=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \)になったので

\(I_n=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \)

\(nI_n=(n-1)I_{n-2} \)

\(I_n=\frac{n-1}{n}I_{n-2} \)となります。

 

\(cos^nx\)のタイプ(解き方を覚えるのが大変)

\(I_n=\int_0^\frac{π}{2} cos^nx dx(n ≧ 0)\)が成り立つ時\(I_n\)と\(I_{n-2}(n ≧ 2)\)の関係式を求めよ。

\(I_n=\int_0^\frac{π}{2} sin^nx dx\)の時とほとんど同じでまず1乗を出します

\(cos^nx\)の部分だけ式変形をして\(cos^nx=cos^{n-1}x・cosx\)

そして部分積分をします。(最初に\(cos^{n-1}xかcosx\)を積分ですが\(cosx\)を積分です)

\(I_n=\int_0^\frac{π}{2} cos^x dx\)

\(=\int_0^\frac{π}{2} cos^{n-1}x・cosx dx\)

\(=\left[cos^{n-1}x(sinx)\right]^ \frac{π}{2}_ 0\)

\(-\int_ 0^ \frac {π}{2} (sinx)・(n-1)cos^{n-2}x・(-sinx) dx\)

(\(cosx\)を積分しています)

\(=\left[cos^{n-1}x(sinx)\right]^ \frac{π}{2}_ 0\)

\(+\int_ 0^ \frac {π}{2} sin^2x・(n-1)cos^{n-2}x dx\)

\((sinx・sinx=sin^2xを使いました)\)

ここで\(\left[cos^{n-1}x(sinx)\right]^ \frac{π}{2}_ 0\)は積分区間を代入すると0になります。

よって

\(I_n=\int_ 0^ \frac {π}{2} sin^2x・(n-1)cos^{n-2}x dx \)

\(=\int_ 0^ \frac {π}{2} (1-cos^2x)・(n-1)cos^{n-2}x dx\)

(\(sin^2x+cos^2x=1\)より\(sin^2x=1-cos^2x\)を使っています)

\(=(n-1)\int_ 0^ \frac {π}{2} (cos^{n-2}x-cos^nx) dx・・・① \)

\(I_n=\int_0^\frac{π}{2} cos^nx dx\)より

\(I_{n-2}=\int_0^\frac{π}{2} cos^{n-2}x dx\)

よって①\(=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \)となります。

1番最初の式\(I_n \)を式変形して\(I_n=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \)になったので

\(I_n=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \)

\(nI_n=(n-1)I_{n-2} \)

よって\(I_n=\frac{n-1}{n}I_{n-2} \)となります。

 

\(tan^nx\)のタイプ(解き方を覚えるのが大変)

\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^nx dx(n ≧ 0)\)が成り立つ時\(I_n\)と\(I_{n-2}(n ≧ 2)\)の関係式を求めよ。

\(tan^nx\)は2乗を出します。

\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^nx dx\)

\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^{n-2}x・tan^2x dx\)

\(ここで tan^2x に1+tan^2x=\frac{1}{cos^2x}\)より

\(tan^2x=\frac{1}{cos^2x}-1\)を使います。

すると\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^{n-2}x・(\frac{1}{cos^2x}-1) dx\)

\(=\int_0^\frac{π}{4}( tan^{n-2}x・\frac{1}{cos^2x}-tan^{n-2}x dx)\)・・・①になります。

\(\int_0^\frac{π}{4} tan^{n-2}x・\frac{1}{cos^2x}dx\)の積分は\(\int f(g(x))g'(x)dx\)の積分です。

よって\(\int_0^\frac{π}{4}( tan^{n-2}x・\frac{1}{cos^2x}dx)\)

\(=\left[\frac{1}{n-1}tan^{n-1}x\right]^ \frac{π}{4}_ 0=0\)となります。

よって①\(=\int_0^\frac{π}{4}-tan^{n-2}x dx=I_{n-2}\)となります。

 

\((logx)^n\)のタイプ(解き方を覚えるのが恐らく楽)

\(I_n=\int_1^2( logx)^n dx(n ≧ 0)\)が成り立つ時\(I_n\)と\(I_{n-1}(n ≧ 1)\)の関係式を求めよ。

\(I_n=\int_1^2 log^nx dx\)は解き方が1番簡単です。

\(I_n=\int_1^2 1・log^nx dx\)として部分積分です。(最初に\(1かlogx\)を積分ですが

\(1\)を積分です)

すると\(I_n=\int_1^2 1・log^nx dx\)

\(=\left[x(logx)^n\right]^ 2_1-\int_1^2 xn(logx)^{n-1} ・\frac{1}{x}dx\)

\(=2(log2)^n-n\int_1^2 (logx)^{n-1}dx\)

\(=2(log2)^n-nI_{n-1}\)

これで解き方が全部終わりましたが手を動かして問題を解いて覚えましょう。

見ただけでは頭に入りませんよ私は見て覚えようとしてダメで書いて覚えようとしました。

、私は解き方を覚えるのが苦手だったので覚えるまで全部のタイプを毎日何回か書いて覚えていました。

時間は毎日10分くらいしか使っていないので負担はほとんどなかったです。

積分漸化式は解き方を覚えれば即点数に繋がると最初に説明しましたが数学Ⅲは得点源になるので勉強して方がいいということについて以前記事を書きましたので良かったらご覧ください。

[blogcard url=”https://bakkagisaji.com/suugakusann/”]

それと手を動かした解き方を覚えないといけないと説明しましたが勉強する時は手を動かさないといけないことについて以前記事を書いているのでよかったらご覧ください。

次は積分漸化式の使い方です。

 

次は積分漸化式をどういう風に使うかです。

問題が難しくなるといろんな出題のされ方がありますがとりあえずこれができればいいです。

確率漸化式の問題は(1)が↑で説明した漸化式を立てる問題になります。

そして(2)で「\(I_8\)の値を求めよ」などと聞いてきます。

(1)が「\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^nx dx(n ≧ 2)\)が成り立つ時\(I_n\)と\(I_{n-2}\)の関係式(n ≧ 0)を求めよ」だったとして\(I_8\)を求めてみます。

\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^nx dx(n ≧ 2)\)のnに8を代入して計算しては絶対にいけません、積分ができないです。

(1)で求めた漸化式を使うんです。

\(I_n=-I_{n-2}\)・・・①にn=8を代入します。

すると\(I_8=-I_6\)・・・②となり右辺の番号が下がります。

これ以上番号を下げることができないnの値まで値を代入します。

どこまで代入できるかですがn=2までです。

理由は「\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^nx dx(n ≧ 2)\)」のnが2以上だからです。

右辺の\(-I_6\)ですが①でn=6を代入すると\(I_6=-I_4\)になります。

よって②より\(I_8=-I_6=-(-I_4)\)・・・③となります。

そして①にn=4を代入するとI_4=-I_2になります。

よって③=\(I_8=-I_6=-(-I_4)=I_4=-I_2\)・・・④となります。

そして①にn=2を代入するとI_2=-I_0になります。

④\(=I_8\)

\(=-I_6\)

\(=-(-I_4)\)

\(=I_4\)

\(=-I_2\)

\(=-(-I_0)\)

\(=I_0\)

あとは「\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^nx dx(n ≧ 1)\)でnに0を代入して\(I_0\)を計算すればいいです。

\(I_n=\int_0^\frac{π}{4} tan^nx dx(n ≧ 0)\)にn=0を代入して

\(I_0=\int_0^\frac{π}{4} tan^0 dx\)

\(=0\)

\(sin^x、cos^x、tan^x\)が解き方を覚えるまでが大変だと思いますが1日1回解くなどして覚えましょう。

理系はセンター試験(共通テスト)で失敗しても二次試験の傾斜配点的に逆転できるかもしれません。

積分漸化式が出れば解けて逆転合格の可能性も出てきます。(現役生は数学Ⅲが本当にザルになっているのでもったいないです。)

私はセンター試験に失敗してD判定に近いC判定でしたが二次試験で逆転合格できました。

それだけ数学Ⅲは逆転の可能性を秘めているのでしっかり勉強して解き方を覚えましょう。