大学受験の高校数学ⅡとⅢの関数方程式のパターン問題の解き方

大学受験の高校数学ⅡとⅢの関数方程式のパターン問題の解き方

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みなさんこんにちは、jonioです。

「関数方程式はどうやって解けばいいんだろう?解き方が分からなくていつも悩む。解き方が色々ある気がするけど何通りあるんだろう。」と思った事はありませんか?

数学Ⅲは自分で勉強をすると難しく感じますよね。

私が高校生の時は学校の授業のスピードが遅すぎて自分で勉強しないといけなかったのですが教科書の内容が理解できなくて相当苦労しました。

そして予備校で授業を受けないといけない状況になり予備校で全て勉強しました。

この記事を読んだ人が教科書や参考書を使わなくても自分で勉強できるように関数方程式について解き方を説明します。

関数方程式は式の中に\(\int\)があり\(f(x)\)を求める問題と思っていいです。

タイプが全部で3通りあり解き方を覚えないといけませんが解き方自体は複雑ではありません。

そして解き方を覚えれば即点数に繋がります。

↓のタイプがあります。

[関数方程式の解き方]

・定数型

・変数型

・恒等式型

定数型と変数型は数学Ⅱでも登場しています。

定数型、変数型、恒等式型の意味が分からないと思うので具体的な問題で解き方の説明をします。

それでは説明しますがぜひ紙に解き方を書きながら説明を読んでください。

 

数学Ⅱの定数型

まずは数学Ⅱの簡単な問題で説明します。

「\(f(x)=2\int_0^1 f(t) dt+x\)が成り立つ時\(f(x)\)を求めよ。」

解き方が定数型と呼ぶ理由は↓です。

\(\int_0^1 f(t) dt\)の積分区間が定数なので\(\int_0^1 f(t) dt\)の\(\ f(t)\)は分かっていませんが何かの式なので積分すると定数になるからです。 

↑は理解して覚えましょう。

理解しないと解けなくなる問題(あとでその問題の説明をします)が出てきます。

定数型の解き方は「\(\int_0^1 f(t) dt\)をkと置く」です。

\(f(x)=2\int_0^1 f(t) dt+x\)で
\(\int_0^1 f(t) dx\)=k・・・①と置きます。

「=k」とおけるのは定数区間の積分なので定数になるからです。

すると\(f(x)=2\int_0^1 f(t) dt+x\)は
\(f(x)=x\)+2k・・・②となります。

kを求めることができれば②に代入すれば\(f(x)\)を求めることができるのでkを求めます。

求め方は②を①に代入します。

②で\(f(x)=2k+x\)より
\(f(t)=2k+t\)として①に代入します。

すると\(\int_0^1 (2k+t) dt\)=kとなりこの式を解いてkを求めます。

\(\int_0^1 (2k+t) dt\)=kより

\(\left[ 2kt+\frac{ t^2 }{ 2 } \right]_0^1\)=k

\(2k+\frac{ 1 }{ 2 } \)=k

k=\( -\frac{ 1 }{ 2 } \)

②に代入して\(f(x)=-1+x\)となります。

説明しながら解答を書いたので解答だけを書きます、解答は入試でこの書き方をしても減点されないはずです。

[解答]

\(f(x)=2\int_0^1 f(t) dt+x\)

\(\int_0^1 f(t) dx\)=k・・・①とおく

すると\(f(x)=2\int_0^1 f(t) dt+x\)は\(f(x)=2k+x\)・・・②となる

②で\(f(x)=2k+x\)より\(f(t)=2k+t\)

①に代入して

\(\int_0^1 (2k+t) dt\)=k

\(\left[ 2kt+\frac{ t^2 }{ 2 } \right]_0^1\)=k

\(2k+\frac{ 1 }{ 2 } \)=k

k=\( -\frac{ 1 }{ 2 } \)

②に代入して\(f(x)=-1+x\)

次はこれです。

「\(f(x)=4\int_0^1 xf(t) dt+x\)が成り立つ時\(f(x)\)を求めよ。」

\(\int_0^1 xf(t) dt\)=kとおくことはできません。

kとおくことができるのは積分したときに定数になるからでした。

今は\(\int_0^1 xf(t) dt\)に\(x\)があるので定数にならないからです。

定数にするために\(\int_0^1 xf(t) dt\)=\(x\int_0^1 f(t) dt\)として\(\int_0^1 f(t) dt\)=kとおきます。

解き方自体は問1とほとんど同じなので解答で解き方を説明します。

[解答]

\(f(x)=4\int_0^1 xf(t) dt+x\)

\(f(x)=4x\int_0^1 f(t) dt+x\)

\(\int_0^1 f(t) dx\)=k・・・①とおく

すると\(f(x)=4x\int_0^1 f(t) dt+x\)は\(f(x)=4kx+x\)・・・②となる

②で\(f(x)=4kx+x\)より\(f(t)=4kt+t\)

①に代入して

\(\int_0^1 (4kt+t) dt\)=k

\(\left[ 4k\frac{t^2}{2}+\frac{ t^2 }{ 2 } \right]_0^1\)=k

\(2k+\frac{ 1 }{ 2 } \)=k

k=\( -\frac{ 1 }{ 2 } \)

②に代入して\(f(x)=-2x+x=-x\)

次は数学Ⅲの定数型です、数学Ⅱとの違いは積分する式が違うだけでやる事は同じです。

 

数学Ⅲの定数型

「\(f(x)=cosx+\int_0^\frac{π}{3} f(t)tant dt\)が成り立つ時\(f(x)\)を求めよ。」

問1と全く同じ手順で解きます。

\(f(x)=cosx+\int_0^\frac{π}{3} f(t)tant dt\)で\(\int_0^\frac{π}{3} f(t)tant dt\)=k・・・①と置きます。

すると\(f(x)=cosx+\int_0^\frac{π}{3} f(t)tant dt\)は\(f(x)=cosx+k\)・・・②となります。

kを求めることができれば②に代入すれば\(f(x)\)を求めることができるのでkを求めます。

求め方は②を①に代入します。

②で\(f(x)=cosx+k\)より\(f(t)=cost+k\)として①に代入します。

すると\(\int_0^\frac{π}{3} (cost+k)tant dt\)=kとなりこの式を解いてkを求めます。

式を解く際に定積分をしますが数学Ⅲの定積分に関しては以前記事を投稿していますのでそれを見てください。

\(\int_0^\frac{π}{3} (cost+k)tant dt\)=kより

\(\int_0^\frac{π}{3} (cost+k)\frac{sint}{cost} dt)\)=k

\(\int_0^\frac{π}{3} (sint+k\frac{sint}{cost} dt)\)=k

\(\left[ -cost-klog|cost| \right]_0^\frac{π}{3}\)=k

\(-\frac{1}{2}-klog|\frac{-1}{2}|\)=k

\(-\frac{1}{2}-klog\frac{1}{2}\)=k

\(k(log\frac{1}{2}+1)\)=\(-\frac{1}{2}\)

\(k(log1-log2+1)\)=\(-\frac{1}{2}\)

よってk=\(\frac{-1}{2(1-log2)}\)

①に代入して\(f(x)=cosx+\frac{-1}{2(1-log2)}\)

説明しながら解答を書いたので解答だけを書きます。

[解答]

\(f(x)=cosx+\int_0^\frac{π}{3} f(t)tant dt+x\)

\(\int_0^\frac{π}{3} f(t)tant dt\)=k・・・①とおく

すると\(f(x)=cosx+k\)・・・②となる

②で\(f(x)=cosx+k\)より\(f(t)=cost+k\)で①に代入

すると\(\int_0^\frac{π}{3} (cost+k)tant dt\)=k

\(\int_0^\frac{π}{3} (cost+k)\frac{sint}{cost} dt)\)=k

\(\int_0^\frac{π}{3} (sint+k\frac{sint}{cost} dt)\)=k

\(\left[ -cost-klog|cost| \right]_0^\frac{π}{3}\)=k

\(-\frac{1}{2}-klog|\frac{1}{2}|\)=k

\(-\frac{1}{2}-klog\frac{1}{2}\)=k

よってk=\(\frac{-1}{2(1-log2)}\)

①に代入して\(f(x)=cosx+\frac{-1}{2(1-log2)}\)

[/box05]

という感じで数学ⅡとⅢで解き方は変わらないことが分かったと思います。

 

数学Ⅱの変数型

まずは数学Ⅱの簡単な問題です。

「\(\int_0^x f(t) dt=x^2+x+a\)が成り立つ時\(f(x)\)と定数aの値を求めよ。」

このタイプが変数型と呼ぶ理由は積分区間に変数\(x\)があるからです。

問題を解く際に↓を覚えないといけません。

\(\int_{n(x)}^{m(x)} f(t) dt\)を\(x\)で微分すると\(f(m(x))×m'(x)-f(n(x))×n'(x)\)

(\(m(x)\)と\(n(x)\)は\(x\)の式のこと)

↑は式自体を覚える必要はないです、↓をしていると思ってください。

「\(\int\)の右側の式(この場合\(f(t)\)のこと)の\(t\)に積分区間の上側\(m(x)\)を代入してその式に積分区間の上側\(m(x)\)を微分した式をかける」

「\(\int\)の右側の式(この場合\(f(t)\)のこと)の\(t\)に積分区間の下側\(n(x)\)を代入してその式に積分区間の下側\(n(x)\)を微分した式をかける」

これは公式みたいに丸暗記するのではなく問題を解きながら使い方を覚えればいいです。

これはいつでも使えるわけではありません。

↓の時に使うと覚えましょう。

・積分区間の少なくとも片方が変数になっている。

・\(\int\)の右側の式(この場合\(f(t)\)のこと)にある文字は変数(この場合\(t\)のこと)のみじゃないといけない。

では解き方の説明をします。

\(\int_0^x f(t) dt=x^2+x+a\)・・・①

の両辺を\(x\)で微分して

\( f(x)×(x’)-f(0)×(0′) =2x+1\)

\( f(x)=2x+1\)となります。

変数型の時は定数aの値も求めないといけない時がありますが解き方が決まっています

①の\(\int_0^x f(t) dt\)が0になるように\(x\)に値を代入します。

この場合は0を代入します。

①で\(x=0\)を代入して\(0=0+0+a\)

\(a=0\)となります。

説明しながら解答を書いたので解答のみを書きます。

[解答]

\(\int_0^x f(t) dt=x^2+x+a\)・・・①

の両辺を\(x\)で微分して

\( f(x)×(x’)-f(0)×(0′) =2x+1\)

\( f(x)=2x+1\)

①で\(x=0\)を代入して

\(0=0+0+a\)

\(a=0\)

 

数学Ⅲの変数型

「\(\int_x^1 \frac{f(t)}{e^t} dt=cos^2x+3\)が成り立つ時\(f(x)\)を求めよ。」

数学Ⅱとの違いは数学Ⅲの式が入るだけで解き方は同じです。

\(\int_x^1 \frac{f(t)}{e^t} dt=cos^2x+3\)

両辺を\(x\)で微分して\( \frac{f(1)}{e^1}×(1)’ -\frac{f(x)}{e^x}×(x)’=-2cosxsinx\)

よって\( f(x)=2cosxsinxe^x\)

 

恒等式型

↓みたいな式のことを指すと思っていいです。

「すべての実数\(x\)の値において微分可能な関数\(f(x)\)は次の2つの条件を満たすものとする。

(A)すべての実数x,yに対して\(f(x+y)=f(x)+f(y)+8xy\)

(B)\(f'(0)=3\)

ここで\(f'(a)\)は関数\(f(x)\)の\(x=a\)における微分係数である。

このとき次の(1)〜(3)に答えよ。

\((1)f(0)\)の値

\((2)\)\(\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(y)}{y}\)の値

\((3)\)\(f'(1)\)の値」

\((1)\)最初に\(f(0)\)の値を求めさせることがほとんどです。

やり方は\(f(x+y)=f(x)+f(y)+8xy\)の\(x\)と\(y\)に0を代入すれば大体の問題は解けます。

\(f(x+y)=f(x)+f(y)+8xy\)に\(x=y=0\)と代入して

\(f(0)=f(0)+f(0)\)より\(f(0)=0\)

[(1)の解答]

\(f(x+y)=f(x)+f(y)+8xy\)

\(x=y=0\)と代入して

\(f(0)=f(0)+f(0)\)

\(f(0)=0\)

\((2)\)関数方程式の恒等式型で\((2)\)みたいな極限を求める時は微分係数の定義を使います。

解き方を覚えましょう。

微分係数の定義は↓です。

・1  \(\displaystyle f'(a)=\lim_{ h \to 0 } \frac{f(a+h)-f(a)}{h}\)

・2  \(\displaystyle f'(a)=\lim_{ x \to a } \frac{f(x)-f(a)}{x-a}\)

1を使います。

\((1)\)より\(f(0)=0\)なので

\(\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(y)}{y}\)

\(=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(0+y)-f(0)}{y}\)

\(=f'(0)\)

条件(B)より\(f'(0)=3\)

[(2)の解答]

\((1)\)より\(f(0)=0\)なので

\(\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(y)}{y}\)

\(=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(0+y)-f(0)}{y}\)

\(=f'(0)\)

\(=3\)(条件(B)より)

\((3)\)\((2)\)で使った微分係数の定義を使います。

解き方は覚えましょう。

\(f'(1)=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(1+y)-f(1)}{y}\)の分子の\(f(1+y)\)は条件(A)から求めます。

条件(A)で\(x=1\)を代入して\(f(1+y)=f(1)+f(y)+8y\)となるので

\(f'(1)=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(1)+f(y)+8y-f(1)}{y}\)

\(=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(y)+8y}{y}\)

\(=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } (\frac{f(y)}{y}+8)\)

\(\frac{f(y)}{y}\)は\((2)\)の結果を使います。

[(3)の解答]

条件(A)で\(x=1\)を代入して

\(f(1+y)=f(1)+f(y)+8y\)

\(f'(1)=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(1)+f(y)+8y-f(1)}{y}\)

\(=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } \frac{f(y)+8y}{y}\)

\(=\displaystyle \lim_{ y \to 0 } (\frac{f(y)}{y}+8)\)

\(=3+8\)(\((2)\)より)

\(=11\)