私立医学部が受かるか微妙な人の対策方法と受けるべき大学

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みなさんこんにちは、jonioです。
医学部受験予備校に行ってないと私立医学部に受かるか分からない微妙な成績の場合はどこの大学を受ければいいか分からないですよね。
特に現役生に多いと思いますがこういった受かるか分からないギリギリの人向けの私立医学部の選び方を説明します。
それでは説明します。
目次
私立医大は対策の仕方次第では合格できるかもしれない
私の生徒で模試でずっと偏差値50ちょっとだったけど繰り上げで合格になった人もいるので来年は浪人とか諦めてはいけません。
やり方次第では可能性があります。
まず私立医学部の問題の難易度が分からないと対策のしようがないのでその説明からです。
私立医学部は超難化している
私立医学部は年々難化していて対策を取らないと絶対に失敗します。
対策を取らないといけないのは以下です。
- 解答時間が足りない
- 採点方法
- いい加減な問題の作り方
- 基準点
- 記述の場合の答案用紙の書き方
この5つについて説明します。
解答時間が足りない
解答時間が足りなくなるのはかなり難易度があるのに問題数が多すぎるからです。
国立の記述を書く感じで問題を解くと試験時間内に合格点の解答を書けなくなりますが大学は受験生の処理能力を見ているんだと思います。
例えば杏林大学の数学の試験時間は60分で4題なので1題15分で解くことになりますがこんな感じなので全部解くのは無理です。
センター試験と題問数は同じですが難易度が遥かに違います。
いい加減な問題構成
国立大学と違って私立医学部は問題の作りがいい加減なので知らずに受験して変な問題が出題されると対応できなくなります。
基準点
最低これだけ点数を取らないと他の科目でどれだけ点を取っても落ちる点数のことです。
これがある大学だとバランスよく点数を取らないといけないのですが聖マリアンナ医科大学は基準点が全科目にあります。(他の大学で基準点が存在する所もあります)
基準点がある大学はそんなにないと思うのですが全部の科目で同じ位点を取るのがキツい受験生が落ちやすくなります、特に多浪の場合英語で苦しむ人が多いです。
採点方法
私は思っているのですが記述の採点方法について私立医学部は他の学部と違う気がします。
理由は以下の通りです。
私立医学部は倍率が異常に高いので採点用紙がいっぱいありますよね。
解答用紙を1枚1枚丁寧に見ると時間がかかりすぎるので丁寧に見ることはしないはずで効率的に採点できる採点基準があるか採点方法を採点者に委ねている気がします。
採点基準を採点者に委ねると思った理由は以下の通りです。
私はある地方国立大学を出ていて4回生の時に自分の指導教官に採点の方法を聞いたら教えてくれてびっくりしたのですがこうでした。
例えば題問が4つで100点満点だったら1題25点と普通思いますがそうではなく題問に対する点数の振り分けは採点者に委ね採点方法も採点者に委ねるそうです。
受からないと思っていた人が受かったり受かると思っていた人が落ちるのはこれも原因に含まれるかもしれません。
大学院は別の国立でしたがそこの採点方法は大学の時と似ていました。
(全ての大学がこういう採点方法という意味ではないです、そういう大学もあるということです、ただ地方国立は統一した採点基準がない気がします)
これを知っているから「私立医学部も同じことをしているのでは?」と思えるんです。
記述の場合の答案用紙の書き方
解答用紙のサイズ的に解答をきっちり書くのは不可能で大学によってはある程度雑に解答するしかなくなり大学も認めています。
福岡大学の推薦入試は大問2が記述なのですが解答用紙が狭くて解答がきっちり書けないので他の先生が「記述をきっちり書けないけどどうすればいいですか?」
と福岡大学に問い合わせをした所「ある程度は雑でいいです」と回答があったそうです。
家の紙で比較して欲しいですが狭い所に記述2問は相当きついので計算過程は極力書かない方がいいです。
私立医学部に受かるのに必要なスキル
大きく分けて次の5つのスキルが必要になります。
スキル1
よく知られている解き方でも早く解けるやり方があったらそれを習得する。
スキル2
よく知られている解き方でも解くのに時間がかかり過ぎるので場合によっては捨てないといけない問題を見極める能力。
スキル3
答えだけを書く問題の大学がほとんどなので計算ミスを極力しない。
スキル4
綺麗な字でなくてよく読める字を書ける能力。
スキル5
記述で解答を書くときの書き方。
ではスキルについて説明します。
スキル1とは
スキル1は解き方に関して参考書に載ってないけど先生は知ってる解き方です。
いっぱいはないはずですが先生が自分で勉強して気がついた部分もあるので先生によって知ってる量が違います。
例えば部分積分だと普通下の図の①の解き方をしますが私は②も教えて②で解くのを勧めます。
こういうテクニックが医学部受験には必要です。
スキル2とは
スキル2ですが下の図の問題は準円を求める問題といい普通記述で出題されて答えを出すのに時間がかかるのですが小問集合に入ってたらそれを解くよりもっと早く解ける問題を解くということです。
理由は小問集合が1つ何点かは分かりませんが2点3点で正規合格か補欠合格が分かれるので1つの問題だけ大きな点数はないと思うからです。
点数の比重が同じなら早く解ける問題に手を出した方がいいに決まっています。
解くのに時間がかかり過ぎる問題は合格者は普通捨てるのでできなくても他の人と差がつかないので大丈夫です。
スキル3とは
スキル3は計算能力です。
医学部入試は一般入試だと2点で正規合格と補欠合格が分かれて推薦入試だと2点で落ちるのが普通です。
だから計算ミスをなくす為にドリルみたいな問題集を解いた方がいいです。
このことについて記事を投稿しています。
いつも計算ミスをしたり求めないといけない物の値を出さず関係ない物の値を出すことが多い人は問題を解いてから間違ってないかの確認をすべきです。
計算するときは読むのは自分だけなので汚くてもいいですが人が読める字を書きましょう。
そうしないと計算している途中で何を書いているか分からなくなります。
スキル4とは
スキル4は読める字を書くことです。
綺麗な字でなく読めればいいです。
理由は字が汚いと採点をしない大学があります(例えば金沢医科大学の推薦入試で字が汚い生徒が0点になってます)
採点しないといけない解答用紙がいっぱいあったら採点者側からすれば汚い字の答案は読む気がしないと思います。
何浪しても成績が低い人の特徴として言い方が悪いですが字のバランス感が小学生並みの印象です。
例えば↓です。
スキル5とは
記述ですがある程度ざっくり書いていいと思います。
具体的に見せた方がいいですが下の図の( )の部分は書かなくてもいいです。
ではスキル1、2、3、4、5の身につけ方の説明をします。
スキル1の身につけ方
スキル1は授業で習うしかないです、先生独自の考え方なので問題集には恐らく載ってないです。
「〜の分野はこの1冊で大丈夫」みたいな参考書ならその先生独自の考え方が載っているかもしれません。
私が働いている数学の他の先生はこういう能力がある人はほとんどいません。
スキル2の身につけ方
スキル2は赤本に載ってる過去問を時間を測って解くことで身につければいいです。
赤本を解く時に恐らく最初から問題を解いていくと思いますがそれはやめましょう。
理由は本番の入試の問題を解くとき最初緊張しますが1問目から捨てないといけない問題の時もあります。
それを無理に解こうとして解けないと焦って頭が真っ白になって訳が分からないまま試験が終わって失敗します。
こうならないようにまず自分にとって解きやすいと思う問題を探してそれから解きましょう。
そして気持ちを落ち着けてからぱっと見た感じ解ける問題から解けるだけ解けばいいと思います。
私の印象ですが最初から解かない方がいい分野は整数問題、場合の数、確率、平面幾何、データの分析です。
理由はひらめきで解かないといけなく試験が始まってすぐは思いつかない可能性が高いからです。
スキル3の身につけ方
問題集などの問題を解く時に書き間違いをしないかを心がけて問題を解いて下さい。
スキル4の身につけ方
スキル4は特にスキルではないですが普段から心がければできます。
スキル5の身に付け方
問題を解いて添削してもらう事で身につければいいです。
私立の医学部の入試がどんな物かを知らない先生が結構いるので注意しましょう。
どこまで解答を書けばいいか分からない方が多いと思いますがそんな時は自分が思う分だけ書いて添削してくれる先生に必要がない部分を削って貰えばいいです。
スキル1・2・3・4・5がないと私立医学部の受験は厳しくなる
スキル4は当たり前として1、2、3、5はできないと私立医学部は失敗する可能性が高いと思います。
能力がある人でもです、記述試験を受ける感じで受けて失敗している生徒がいます。
対策をちゃんとすれば現役で受かるはずなのにしなくて失敗した生徒
以前受け持った生徒で能力が高く学力も高いのに金沢医科大学に落ちました。
なぜだろう?と思い生徒に「どんな受験対策をしましたか?」と聞いたら「何もしてません」と言われたので「なるほど」と納得したのを覚えています。
そしてその生徒はスキル1と2を教えて1浪目で受かりました。
では私立医学部の入試の難易度と必要なスキルが分かったので受けるべき大学について説明します。
私は数学のみの説明しかできませんが英語、数学、理科で判断しないといけないので数学だけで受ける大学を決めるのではなく他の科目も含めて考えて下さい。
現役生にお勧めする私立医大
川崎医科大学・埼玉医科大学・帝京大学・聖マリアンナ医科大学・金沢医科大学がお勧めです。
理由を説明します。
川崎医科大学の数学
試験時間:80分
題問数:3
解答方法:マークシート形式
満点:100点
問題傾向の変化は以下の通りです。
2016年度まで難易度が異常に高く4割取れれば大丈夫な感じでしたが2017年度から難易度が大きく下がりました。
以前1年だけ難易度が下がったことがあったのでそれかな?と思ったのですが2018年度も難易度が高くなかったので恐らく今の難易度で出題していくのだと思います。
2017年度は数学Ⅲが出なかったので恐らく現役生を増やしたいのではないかと思っています。
川崎医科大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
埼玉医科大学の数学
試験時間:60分
題問数:4
解答方法:マークシート
満点:100点
問題傾向は以下の通りです。
医学部の中では難易度が落ち着いていて無難だと思います。
埼玉医科大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
帝京大学の数学
試験時間:60分
題問数:4
解答方法:マークシート形式
満点:100点
特徴:数学Ⅲがない、選択科目の中に国語が含まれる
帝京大学の数学は問題傾向が2017年から変わり現役生にとって解きやすい問題になりました。
この大学の魅力として英語、数学、理科、国語が試験にあり英語必修で他の2科目は選択なのと日程が3日あって全部受けると1日簡単な日があるということです。
私の予想ですが例えば英語、数学、物理を3日受けたとするとそれぞれの科目で1番点が良かった日のを使うのと数学の大問1、2、3、4のそれぞれについても点が1番良かった日を使っているのではないか?と思っています。
理由は以前受け持っていた4浪の生徒が入試前にはどこも受からないと思っていたのですがあっさり正規合格したからです。
その生徒さんには失礼な言い方ですが絶対に帝京は落ちると思っていました。
帝京大学は浪人数が増えると合格最低点も上がっていくからです。
しかし正規合格だったので生徒の得点について何かあると思って考えて1番点数が良かった日程の点数を使うのは知っていましたが各大問についても1番良かった日を使っているのではないかと思っています。
ですので帝京大学を受けるなら3日受けましょう。
1日や2日なら受けるのをやめた方がいいです、下手に他を受けるより3日受けて受かるかもしれないチャンスにかけた方がいいです。
現役生は認識が薄いのですが医学部は本当に受かりにくいです。
帝京大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
聖マリアンナ医科大学の数学
試験時間:90分
題問数:4
解答方法:答えを書くだけの問題と記述問題
満点:100点
聖マリアンナ医科大学については難易度が無難なので比較的解きやすいと思います。
変な問題はまずないのでちゃんと勉強した現役生には向いている大学だと思います。
試験時間が90分ですが時間内に全部解くのは恐らく無理です。
聖マリアンナ医科大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
金沢医科大学の数学
試験時間:60分
題問数:変化があり不明だが4題はある
解答方法:マークシート形式
満点:100点
私の生徒で金沢医科大学の教授の子供がいましたが学校内部の2人で問題を作っているらしいです。
だからですが問題が作り込まれている感じがしないです。
変な問題はまずないのでちゃんと勉強した現役生には向いている大学だと思います。
金沢医科大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
といった所です。
次は浪人生用です。
浪人生で受けるのをお勧めする私立医大
1・2浪なら福岡大学・久留米大学・川崎医科大学・埼玉医科大学・東海大学・帝京大学・聖マリアンナ医科大学・金沢医科大学です。
理由を説明します。
川崎医科大学、東海大学、帝京大学、聖マリアンナ医科大学、金沢医科大学については現役生用で説明していますのでそれを見てください。
帝京大学は浪人すると浪人数に応じて合格最低点が上がるという噂があるけど4浪で数学が苦手で受かった生徒がいます。
東海大学9浪で人間性がめちゃくちゃで恐らく大学を卒業できない生徒が受かっています。
普通は落ちるはずなのですが。
福岡大学の数学
試験時間:90分
題問数:3
解答方法:答えを書くだけの問題と記述問題
満点:100点
2018年度は難易度が大きく上がりました>。
時間的に難しすぎです。
2019年度は難易度が上がるか2018年度と同じ位かもしれません。
ある予備校の合格のボーダーが50%でした。
難易度が上がると点差が生まれなく数学で合否が決まらなくなるので数学が少し苦手な人にいいかと思います。
福岡大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
久留米大学の数学
試験時間:90分
題問数:不明
解答方法:答えを書くだけの問題
満点:100点
- 2016年度は難易度が易しい
- 2017年度は難易度が普通
- 2018年度は難易度が易しい
なので2019年度は難易度が普通だと思います。
10浪とかの学生が普通にいるそうで浪人に寛容です。
と思っていたのですが2020年度の推薦入試で問題が凄く簡単になって現役生と浪人生の差がつかなくなりました。
だからもしかすると今後現役重視になるかもしれません。
久留米大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
埼玉医科大学の数学
試験時間:60分
題問数:4
解答方法:答えを書くだけの問題と記述問題
満点:100点
特徴:題問4がほぼ間違いなく確率
問題の難易度にブレがほぼなく標準的です、2018年度の福岡大学の問題がキツ過ぎない人にはいいかと思います。
埼玉医科大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
最後は多浪生用です。
多浪生で受けるのをお勧めする私立医大
久留米大学、聖マリアンナ医科大学、東海大学、帝京大学、金沢医科大学位な気がします。
多浪に寛容な大学がそんなにないです。
説明は上に書いているのでそれを見てください。
学力があるなら大阪医科大学、近畿大学、関西医科大学もいいかと思います。
近畿大学の数学
試験時間:60分
題問数:3
解答方法:題問1、2が答えを書くだけの問題で題問3が記述問題
満点:100点
特徴:Ⅲがない、1番最初の問題から捨てる問題の時がある
難易度は無難だと思います。
近畿大学の対策の記事を以前投稿していますので良かったらご覧ください。
大阪医科大学の数学
試験時間:100分
題問数:5
解答方法:記述
満点:100点
大阪医科大学の対策の記事を以前投稿していますのでよかったらご覧ください。
関西医科大学の数学
試験時間:90分
題問数:4
解答方法:答えを書くだけの問題
満点:100点
大阪医科大学、関西医科大学は難しいので受ける学力があるなら国立に入れます。
超多浪で学力が凄く高い人はぼぼいないはずなので受ける人はいない気がします。
といった感じです。
上に書いてない大学で岩手医科大学、東北医科薬科大学が地元の地域の方は受けてみるのもいいかと思います。
地元の人間を優先的に取る印象です。
倍率について触れませんでしたが倍率が低いから受かりやすいとかないです。
だから倍率を気にするよりも英語、数学、理科の兼ね合いで問題を解くのが自分にとって合う大学を選ぶべきです。
といった所です。